先日、受講生の方から、
「タイ語の単語の切れ目は、どこにあるのか」
という質問が寄せられました。
「タイ語の切れ目」
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この問題はおそらく、多くの読者が疑問に感じている点だと思うので、
今回は、その質問に対する私の回答を、掲載したいと思います。
なぜタイ語の文章は読みにくいのか
回答を書く前にまず、前提として、
「タイ語を区切って読むのがなぜ難しいのか」
という点を先にお話ししておきます。
タイ語には、「分かち書きしない」という、非常に初心者泣かせのルールがあります。
「分かち書き」というのは、
たとえば、英語の場合…
「I miss you」
のように、単語と単語の間を空けて書きます。
こういうのを、「分かち書き」と言います。
分かち書きをすることによって、単語と単語の切れ目が見てすぐに分かります。
そのため、仮に、読めない単語があったとしても、
その単語「だけ」を辞書で調べさえすれば、解読できるわけです。
上記の [I miss you] の例で言うと、、
IとYOUをすでに知っているなら、missだけを調べれば、訳せるわけです。
タイ語は分かち書きしない
しかし、、
タイ語では、分かち書きをしません。
たとえば、こんな感じです。
↓
これは、タイの国歌の歌い出し部分ですが、
単語と単語の間が全く空いていませんよね。
「分かち書きをしない」
ということは、どこが単語の切れ目なのかが、見てすぐに分からない、ということです。
これを解読するのは、至難の業です。
では、タイ語の単語の切れ目を、瞬時に判断する方法は、あるのでしょうか?
単語を覚えていくしかない
結論を先に言うと、、
切れ目を見分けるコツは、
ありません。
タイ語は、単語をたくさん覚えて、知っている単語が増えていけば、徐々に、分かるようになってくるものです。
なので、単語を知らない状態で、どこが切れ目なのかを探そうとしても、、
100%判別する方法はない、
ということなのです。
タイ語の文を区切る時の目安
しかし、「不可能である」と言ってしまうと、身もフタもないので、
「目安」となる方法は、一応あります。
母音記号に着目しよう
タイ語を区切る時の目安は、たった1つ、
それは、「母音記号」です。
タイ文字講座の後半部分で、タイ語の母音記号についても総復習をしていきますが、
たとえば、
「短いア ะ 」があった場合、そこでは確実に音節が切れます。
また、母音記号の中には、
「 เ , แ , โ , ไ 」
…など、子音文字の左側に付くものも多いですが、
母音記号が左にあるということは、言い換えると、そこから新しい音節が始まっている、ということです。
タイ語は1音節の単語が多い
これにより、まず、音節の切れ目が見えてきます。
そして、タイ語は、
「1音節1単語」になっているものが多いので、音節の切れ目さえわかれば、
そこから、おおよその単語の切れ目を類推することは十分可能です。
もちろん、
「プラ・テート(国)」などのように、2音節以上の長い単語もあります。
そうした長い単語は、別途暗記していかなくはなりません。
ただし、日常語に関して言えば、
タイ語は、1音節だけの短い単語が圧倒的に多いので、
=単語の切れ目
と、考えておけば、おおよその目安になるわけです。
だんだん目が慣れてくる
ただし、母音が目安になるとは言っても、、
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のように、「 า 」の後ろに文字があるのかないのか、切れるのか切れるのかが、ハッキリしない例もあります。
(ちなみに、サーマートと読みます。例外的な読み)
ただし、こういうのは、単語を覚えていくうちに、徐々に目が慣れていきます。
いずれにせよ、まずは、
などのように、「そこで確実に音が切れている」という箇所を見つけてみましょう。
そして、
そこにスラッシュなどを入れて、切った箇所を順に辞書で調べていく、
という方法が、時間がかかるように見えて、最も近道ではないかな、と思います。
タイ語は初心者泣かせ
逆に言うと、タイ語は、、
「単語を知らないと文が読めない」
という、非常に初心者泣かせの側面があります。
上記の方法はあくまでも、切れる箇所の「目安」であって、100%有効なわけではありません。
「パッと見てすぐに単語の切れ目が分かるコツ」
というのは、残念ながら、タイ語にはありません。
タイ語の少しずつ単語を覚えていって、たくさんの例文を読んでいくうちに、少しずつ、目が慣れていくものだからです。
なので、
まずは、タイ語の母音記号を、全部覚えてみましょう。
そして、
「そこで音節が切れるかどうか」
という点に着目してみてください。
そして、音節が切れた箇所で意味を調べて、覚えていきながら、
少しずつ、読める単語を増やしていきましょう!
…以上が、タイ語の文章で単語の切れ目を探すための、たった1つの方法です。
今回は、「タイ語の単語の切れ目」に関するお話でした。