【チェンマイ ソンテウ専用アプリ】乗り合いトラックをアプリで呼び出せる『CM Taxi』が登場

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2017年8月、チェンマイの地元新聞に、
「チェンマイで、ソンテウ専用のアプリ『CM Taxi』が登場!」という見出しの記事が出ていました。

今回は、その新聞記事を日本語に翻訳して、ご紹介してみようと思います。

なお、「ソンテウ」というのは、チェンマイ市内を賃走している、赤色の乗り合いトラックのことです。

チェンマイソンテウ専用のアプリが登場

(↓↓チェンマイの地元新聞から抜粋↓↓)

このたび、チェンマイ県陸運局は、チェンマイ大学工学部と協力し、新たなスマホアプリを開発。その名も「CM Taxi」。

「CM Taxi」は、チェンマイの名物である赤い乗り合いトラック「ソンテウ」を、呼び出すことができるスマホアプリ。

「ウーバー」や「グラブタクシー」など、海外のタクシーアプリの侵入により、地元ソンテウの需要が激減。多くのソンテウ運転手が、生活苦の憂き目に遭っている。

「CM Taxi」アプリは、この事態に対抗する為の措置として、作成された。

チェンマイ市内のソンテウドライバーには、随時このアプリに登録をさせ、海外の違法タクシーアプリを駆逐するとともに、ソンテウ運転手の収入の保護と、ソンテウのさらなる普及を目指す。

陸運局のコメント

チェンマイ県陸運局局長のチャーンチャイ氏は、この件に関し、次のように話している。

「ウーバーやグラブタクシー等の海外のタクシーアプリがタイ体に上陸して以来、観光客はソンテウを使わなくなり、チェンマイのソンテウ業者たちは慢性的な苦境に立たされている。

また、問題は、ソンテウの客が奪われた事だけではない。

モグリタクシーによる凶悪犯罪なども頻発しており、このまま、タクシー関連の事件を放置しておいては、観光都市チェンマイの威信に関わる。

チェンマイ陸運局では、この現状を鑑み、チェンマイ大学の工学部と協力し、チェンマイ市内のソンテウ専用のアプリを作成した。

これにより、チェンマイの市内交通が、今後さらにスムーズに行われることを信じる。」

チェンマイ大学のコメント

また、チェンマイ大学工学部のプン教授はこの件に関し、次のように話す。

「これは、チェンマイ県の行政が主体となって作製した、初のアプリである。

この「CM Taxi」のアプリを使えば、チェンマイ市内でソンテウが必要になったときに、居ながらにして、直ちにソンテウを呼び出すことができる。

また、「路線便」と「チャーター便」の2種類のソンテウを選ぶことができるため、定期路線以外の行き先でも、気軽に行くことができる。

観光客の多様なニーズにも、十分対応できるはずだ。」

ソンテウ協会のコメント

また、チェンマイ・ソンテウ協会会長のシンカム氏は、次のようにコメントしている。

「当初は、登録者数が危ぶまれていたが、2017年8月現在、ソンテウ運転手は500人、客は1000人がダウンロードしている。

また、行き先を入力すれば自動的に運賃を計算してくれる、というのも大きなポイントだ。

これで、料金のぼったくりなどの問題も改善されていくだろう。

この「CM Taxi」アプリを導入したことで、収入が従来より20パーセントも上がった運転手もいる。

チェンマイ赤ソンテウの、今後のさらなる発展を期待したい。」

業者の保護が第一

…とまあ、新聞記事には、おおむね、このように書かれていました。

この記事から私たちが読み取れることは、数多くあります。

私が最も気になったのは…

「既存のソンテウ業者を守るため」という文言です。

なんか、記事全体を読んでいて、「業者を守る」という姿勢が、ものすごく伝わってきませんか?

でも、ソンテウだって、ただの民間企業ですから、

本来は、行政として保護しなければいけない「いわれ」は、何もないんですよね。

けれど、行政のトップが…

「業者が大打撃を受けている」
「業者を守らなければならない」

ということを、ハッキリ声に出して言ってしまう、というのは、タイ人の特徴的な思考だといえます。

はっきり言って、上の記事を読んでいると…

「観光客の利便性」なんかよりも、とにかく「業者を守りたい!」というのがありありと伝わってきますよね。

今やチェンマイの交通渋滞は年々深刻化していて、悪名高き「サーンデック交差点」に至っては…

「8時台と4時台は、車が動かない」という、まるでバンコクの二の舞いのような状況になっています。

街の規模に対し、車が多すぎるからです。

観光客の利便性を考えるなら、むしろ、ソンテウやトゥクトゥクは、「9割以上廃止」にしたほうがいいんです。

その上で、路線バスを拡充する…というのが、行政が「観光客のために」本来取り組むべきことだと思いませんか?


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これだけ、観光収入で潤っているにもかかわらず、「お客様のためになること」よりも、まず「内輪を守ること」が、最優先される国…
それが、タイという国なんです。

ソンテウのコスパが悪すぎる件

それに、2017年8月現在、チェンマイの赤いソンテウの初乗り料金は、なんと「30バーツ」。

今のレートだと、「約100円」です。

1回乗って100円ということは…

「日本の、京都や仙台、福岡の市バスのほうが安い」ってことになります。

京都の市バスは、車がガタガタと揺られることなく、空調の効いた車内でゆったりと座って、市内のどこで降りても、100円です。

一方、チェンマイの赤いソンテウは…

30℃を超える炎天下で、ぎゅうぎゅうに人を詰め込み、トラックの荷台に乗せられて、排気ガスを吸わされ続けて、ほんの1kmも走っただけで、100円です。

だったら、「京都の市バスの方がよっぽど良くね?」って思いますよね。

ですので、今回、行政側からの「ウーバーが導入されたから、ソンテウが打撃を受けた」というコメントは…

問題のすり替えに過ぎません。

仮に、海外からどんなアプリが導入されたとしても、「ソンテウ」が本当に有用なら、ユーザーは、「ソンテウ」を選ぶはずだからです。

現在、チェンマイの赤いソンテウが、「衰退」しているのは…

「こんなにも高い値段で、こんなにもサービスの悪い、不便な乗り物になんか、乗りたくねぇーよ!」

という、消費者からの意思表示なんです。

タイの物価が上がりすぎている件

数年前までは、「タイバーツを日本円に換算したら、タイの物価は安い」と言われていました。

しかし、ここ数年の、タイのインフレが凄まじすぎて、商品やサービスによっては…

「日本円に換算しても高い」
「てゆうか普通に日本のほうが安い」

…という状況になってしまっているんです。

今回の「ソンテウ料金」は、その典型例です。

日本の市バスと、それよりも遥かにクオリティが劣るタイのソンテウとが、「同じ値段」

こうなると、誰もタイの「国産サービス」なんて、使わなくなってしまいます。

観光業もしかり

日本へ旅行するタイ人が増えているのは、そういう「タイは年々高くなるのに、日本は安いまま」という状況とも、大いに関係があると思います。

たとえば日本の旅館は、温泉付き、料理付きで、1万円も出せば泊まれるところも、多くあります。

1万円というと、3千バーツです。

しかし、タイで、1泊3千バーツで温泉付き、料理付きなんて、ありません。

下手をすると、素泊まりで、外で食事して、3千バーツを越える…なんてこともざらです。

こうなると、多少の経済的余裕があるタイ人にとっては…

「タイ国内を旅行するより、日本に行ったほうが良くね?」となるわけです。

メリットは?

ただ、ディスってばかりもどうかと思うので、一応、「CM Taxiのメリット」をご紹介しておくと…

「政府が認めた、唯一の合法タクシーアプリである」という点です。

タイ運輸省は、ウーバーやグラブタクシーなどの海外産アプリの使用を、認めていません。

ですので、こうした海外のタクシーアプリを使用して、車を呼び出すのは、タイでは違法。見つかると、2千バーツの罰金を、徴収されることになっています。

一方、「CM Taxi」であれば、県が作製した合法のタクシーアプリですから、このアプリでソンテウを呼び出しても、「逮捕される心配はない」…ってことなんです。

まとめ

今回ご紹介した「CM Taxi」のアプリを、貼っておきます。↓↓
Google Play【CM Taxi】

チェンマイの赤いソンテウは、「高くて質の悪い乗り物」という印象は、やはり拭えませんが、現状としては…

「悪質なトゥクトゥクにボッタクられるよりかは、よっぽどマシ」

…という、いわば「次善策」として、それなりの有用性があります。

チェンマイ訪れた際、「市内や近郊のいろいろなところに行ってみたい!」とお考えの人は…

「CM Taxi」を試してみるのも、いいかもしれません。


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