楽しいタイ生活。でも、暮らしていると、ついつい嫌気を感じてしまうことだって、あります。今回は、
「もうこりごりだ!」
「もうこんなことは二度と嫌だ!」
というニュアンスを表す、便利なタイ語のフレーズを、ご紹介していきます。
「เข็ดหลาบケット・ラープ!」
「เข็ดหลาบケット・ラープ!」
は、「懲りる」という意味の動詞です。
「ケット・ラープ!(こりごりだよ)」
と、単独で使用することもできますが、
「もうこりごり!」
という「完了」のニュアンスを表したいときは、
「レェーオ」
を後ろに続けて、
「เข็ดหลาบแล้วケット・ラープ・レェーオ!」
と、言います。これで、
「もうこりごりだ」
「もうこんなことは2度とやらない」
というようなニュアンスになります。
では、
●「ケット・ラープ!(こりごりだ)」
●「ケット・ラープ・レェーオ!(もうこりごりだ)」
この2つのフレーズを、続けて聞いてみましょう。
↓音声はこちらから
「เข็ดหลาบケット・ラープ!」の使い方
日常生活で、「เข็ดหลาบケット・ラープ!」を使う場面としては、例えば・・・
●役所に行くために、市バスを乗り継いで行こうとしたら、何時間もかかってしまい、結局閉館時間ギリギリになってタクシーで行った。
「เข็ดหลาบケット・ラープ!(市バスなんて、もうこりごりだ!)」
というような場合。または…
●自分が住んでるアパートの近くで携帯電話の中古品を買ったら、とんでもない粗悪品を掴まされた。
「เข็ดหลาบケット・ラープ!(こんな店では、もう二度と買わない!)」
というケース。または…
●近所のレストランで、カオパット(タイのチャーハン)を注文したら、さんざん待たされた挙句に、とんでもない手抜き料理が出てきた。
「เข็ดหลาบケット・ラープ!(二度とこんな店来るもんか!)」
…などなど、このような状況の時に、
「もう二度とするもんか!」
という、辟易と反省の気持ちを表す最適のフレーズが、
「เข็ดหลาบケット・ラープ!」なんです。
こうしてみると、意外と大切なフレーズだと思いませんか?
↓もう一度、音声を聞いておきましょう。
タイ人は色恋沙汰でこれを言う
前項でご紹介した「เข็ดหลาบケット・ラープ!」のシチュエーションというのは、あくまでも、我々日本人旅行者目線です。
一方、タイ人はというと…
日常生活では、あまり使いません。
タイ人が「เข็ดหลาบケット・ラープ!」のフレーズを使うのは、もっぱら色恋沙汰です。
●「もう見た目で男は選ばないって決めてたのに、結局、また見た目で選んじゃった…、いい男なんて、もうこりごりよ」
●「私、ダメ男に弱いのよね。つい尽くしてあげたくなっちゃう。でも、今まで私が痛い目を見てきたのも、やっぱりダメ男ばっかりなのよね」
…とまあ、こんな具合です。
そもそも「懲りる」とはどういうプロセスか
さて、「外国語の勉強」という観点から言えば、
上記のような「เข็ดหลาบケット・ラープ!」の使い方をマスターしていれば、それで問題ないのですが、
私たちは日本人として、さらにもう一歩踏み込んで、考えてみましょう。
「懲りる」というのは要するに、「過去の失敗から学ぶ」ということです。
日本人は潜在的に、過去の失敗から学ぶことが得意な人が多いです。
これは、小さい頃から「反省」の概念を、家庭や小学校などでよく学んで来ているからです。
そのため、今回ご紹介している「เข็ดหลาบケット・ラープ!」の用法を1度聴けば、
「なるほどそういう風に使うのか」ということがすぐに判ります。
「เข็ดหลาบケット・ラープ!」は、タイ人よりも日本人の方が使い方をよく知っている
しかし、タイを始めとして、日本以外の外国では、必ずしもそうではありません。
特にタイでは、前回からご紹介している「マイペンライ!」という便利な言葉があります。
このマイペンライによって、タイ人は、イヤな思い出をとにかく忘れようとしてしまうため、
タイの人たちの多くは、過去の失敗からあまり学ぼうとしません。
そのため、今回ご紹介している「เข็ดหลาบケット・ラープ!」は、
日常語でありながら、タイの人は普段の生活であまり使わない、ということなんです。
そして、その結果として…
「過去に失敗したことを再び繰り返す」
という残念なことになってしまうんです。
要は、「ケット・ラープ(懲りる)」ができていない、ということです。
逆に、私たちのような、タイ語を話す日本人の方が、
「เข็ดหลาบケット・ラープ!」
という言葉の、本当の意味をよく知っているのではないか?と思います。
上記の例で言えば…
「この店には粗悪品しか置いていない、もうこりごりだ!」
というようなケースです。
タイの一般の人は、こうした経験をしたあとでも、
「店長と知り合いだから」
というような理由で、ついつい同じ店で買い物をしてしまい、結局また、粗悪品を掴まされてしまうんです。
これは、とどのつまり、
「ケット・ラープ(懲りる)」ができていない、
ということです。
まとめ
今回は、「もうこりごりだ!」「もう二度とやるもんか!」というニュアンスを表したいときの、タイ語フレーズについて、ご紹介してきました。
最後にもう一度、続けて聞いてみましょう。
↓音声はこちらから
●ケット・ラープ!
(こりごりだ)●ケット・ラープ・レェーオ!
(もうこりごりだ)」
「เข็ดหลาบケット・ラープ!」
の辞書的な意味は「懲りる」だけですが、
ここに込められた最も重要な意味は、
「過去の失敗から学ぶ」
「過去の失敗は二度と繰り返さない」
ということです。
こうした反省の概念は、日本以外の国では苦手な人が多いですから、
タイでも、むしろ日本人の方が、「เข็ดหลาบケット・ラープ!」の意味をよく理解していたりします。
今回の「เข็ดหลาบケット・ラープ!」をしっかり練習して、過去の失敗から学び続け、
「さすがは日本人だ!」と言われるような振る舞いを、していきたいものです。
●「懲りる・反省する」ということができるのは、文化的に成熟した国の人だけである。
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