どうもこんにちは、でんいちです。
タイ語で「遠い」と「近い」は発音がよく似ていて、とても紛らわしいです。
タイ語の ไกล と ใกล้ を見分けるコツについて、動画にまとめました
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タイ語の「遠いと近い」は声調が違う
タイ語は、「声調が難しい」とよく言われます。
声調というのは、音の高い低いや上げ下げなどで意味を区別する、発音上のシステムのことを言います。
この「タイ語の声調」というテーマで必ず引き合いに出されるのが、
今回お話しする、「近い」と「遠い」を表すタイ語です。
タイ語の「近い」と「遠い」は、意味が正反対の対義語でありながら…
なんと、子音も母音も全く同じで、ただ声調しか違いがない、という、非常に初心者泣かせの設定になっています。
今回は、タイ語の「近い」と「遠い」について、お話ししていきます。
タイ語で、「近い」と「遠い」はどちらもアルファベットで書くと、「KLAI」で、
ただ声調だけが違います。
二重子音の発音
なお、「KLAI」の読みは、そのまま「グライ」と読んでも良いのですが、
二重子音のL/Rはよく省略されるので、
日常会話では、「KAI」という音で発音されることが多いです。
また、我々日本人は、慣れない二重子音を無理に読もうとするよりも、
L/Rを抜いて、「ガイ」と読んだ方が通じやすいので、
今回の動画でも、「KLAI」はガイと読むことにします。
では、タイ語の「近い」と「遠い」の発音を、順に見ていきましょう。
klâi ガイ↘(近い)と klai ガイ→(遠い)
まずは、「近い」のほうから。
タイ語の「近い」は、3声の落ちる音で、「klâi ガイ↘」と発音します。
いっぽう、「遠い」は1声の平らな音なので、「klai ガイ→」という発音になります。
「klai ガイ→」が遠い。
見ての通り、この2つは、子音も母音も全く同じで、違いは声調だけです。
なので、初心者には非常に区別が難しいです。
しかし、一応、声調以外にも、いくつか見分け方法があります。
そこで次に、klâi ガイ↘(近い)とklai ガイ→(遠い)を見分けるコツについて、お話をしていきます。
ガイ↘ガイ↘(近く)
まず、日常会話では、近いの「ガイ↘」は2回重ねて、
「ガイ↘ガイ↘」と言うことが多いです。
「ガイ↘ガイ↘」で、
「近い・近く」という意味です。
たとえば、タイ語で「ある・いる」は「yùu ユゥ」と言いますので、
(近くにいます)
という意味になります。
ガイ→ (遠く)
一方、遠いの「ガイ→」は、単体で使うことが多いです。
「ガイ」で「遠い、遠く」という意味です。
(遠くにいます)
という意味になります。
なので、タイ語で「ガイガイ」と2回言われたときは、
「2回なので、おそらく、『近い』のほうを言っているのだろう」
と推測することができます。
100%ではない
ただし、この判別方法は、100%ではありません。
遠いのほうを「ガイ→ガイ→」と2回重ねることもあるからです。
とはいえ、近いの「ガイ↘ガイ↘」のほうが使用頻度は高いので
「近い」は「ガイ↘ガイ↘」と2回重ねた形で覚えておくと良いと思います。
一方、「遠い」のほうは、「ガイ→」と単体で覚えておきましょう。
以上をまとめると、
ガイ↘ガイ↘
(近い)
klai
ガイ→
(遠い)
ユゥ・ガイ↘ガイ↘
(近くにいます)
yùu klai
ユゥ・ガイ→
(遠くにいます)
という感じになります。
音の長さが微妙に違う
タイ語の「遠い」と「近い」のもう1つの見分け方としては、「音の長さ」が挙げられます。
発音するとき、「遠い」の「klai ガイ→」は1声の平らな音なので、音が長くなる傾向があります。
一方、「近い」の「klâi ガイ↘」は3声の落ちる音なので、音が短く聞こえます。
なので、「遠い」のklai ガイ→と「近い」のklâi ガイ↘は、
発音された時の音の長さから、判断することが可能です。
「近い」の「klâi ガイ↘」は音が短め、
と覚えておきましょう。
ไ と ใ の違い
あとは、『タイ文字講座』でも解説していますが、
タイ文字で書いたときの[ai]の母音記号の形が微妙に違います。
「遠い」の ไกล ガイ→ の母音記号は、先が伸びた[ ไ ai]、
「近い」の ใกล้ ガイ↘は、先の丸い[ ใ ai]です。
これは、タイ文字の見た目の違いです。
遠くからだと分かりにくいですが、近づいてよく見てみると、
「 ไ と ใ 」は形が違うことがお分かりいただけると思います。
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この記号はいずれも、[ai]の音を表す母音記号です。
まず、「 ไ 」は、棒の先が左側へ伸びています。
こちらが、「遠い」のほうの記号。
いっぽう、「 ใ 」は、棒の先が内側へ丸まっています。
こちらが、「近い」のほうの記号です。
これらの記号の見た目の違いから、
伸びているから、「遠い」
ใกล้ ガイ↘は棒の先が
丸まっているから、「近い」
という語呂合わせで覚えることが可能です。
では、近いの「klâi ガイ↘」と遠いの「klai ガイ→」
この2つの見分け方の
ポイントをまとめておきます。
ポイントは、4つあります。
まず、「近い」の「klâi ガイ↘」は、
・音が短め
・「ガイ↘ガイ↘」と2回重ねて言う
・タイ文字の ใกล้ の母音記号は、
ใ 先の丸い[ai]の記号
…以上の4点です。
いっぽう、「遠い」の「klai ガイ→」は、
先ほどとは違い、
・音が長め
・「ガイ→」と単体で使う
・タイ文字の ไกล の母音記号は、
ไ 先の伸びた[ai]の記号
…という違いがあります。
このように並べてみると、けっこう違いは多いので、慣れてくれば、
「近い」の「ガイ↘」と「遠い」の「ガイ→」も、すぐに見分けられるようになっていきます。
では、近いの「klâi ガイ↘」と遠いの「klai ガイ→」のタイ語音声を聞いてみましょう。
なお、ネイティブのタイ語音声では、「klai グラィ」という風に[KL]の二重子音をちゃんと読んでいますが、
私たちが読む時は、Lを抜いて、「ガイ」と読んでもOKです。
ガイ↘ガイ↘ (近い)
ไกล klai
ガイ→ (遠い)
ユゥ・ガイ↘ガイ↘ (近くにいます)
อยู่ ไกล yùu klai
ユゥ・ガイ→ (遠くにいます)
今回は、近いの「klâi ガイ↘」と遠いの「klai ガイ→」の違いや見分け方について、ご紹介しました。
慣れないうちは、なかなか区別が難しいと思いますが、
実際のタイ語やタイ文字に触れながら、少しずつ、慣れていくようにしましょう!