この夏、タイのセブンイレブンで、「もちシュークリーム」という新メニューが登場しました。
現在、「もちシュークリーム」は、タイで最も人気のある「コンビニ・スイーツ」の1つになっています。
今回は、この「もちシュークリーム」について、ご紹介していきます。
なぜ「もちシュークリーム」なのか
タイのセブンイレブンで、この「もちシュークリーム」を初めて見た日本人は、
ほぼ例外なく、次のように考えます。
「なぜ、頭に『もち』がついているのか」と。
これを理解するには、まず、「タイ人の一般的な味覚」について、知る必要があります。
タイ人の好む食感
タイ人は基本的に、「もちっとした食感」が大好きです。
タイで、食パンを食べたことがある人なら分かると思いますが、
タイの食パンは、日本の食パンに比べて、かなりモチモチしています。
お米や麺料理なら、「モチモチした食感を好む」というのも十分理解できるのですが、
タイにおいては、パンやお菓子にも、同じように「モチモチした食感」が求められます。
そのため、「サクッとした食感のパン」というのは、
少なくとも、タイの一般庶民の間では、なかなかヒットしない、という背景があります。
もちシュークリーム開発の裏側
このたび、タイのセブンイレブンで「シュークリームを売ろう!」と企画した人たちは、
おそらく、タイ人のそうした嗜好を、かなり綿密に計算したはずです。
もちシュークリームの開発の裏側を、
『プロジェクトⅩ』っぽく、勝手に想像してみました。
↓
日本っぽいシュークリームなら、必ず売れるだろう
↓
いや、待てよ…
日本のシュークリームのふわふわ感は、おそらくタイ人には馴染まない
↓
タイ人は、モチモチした食感が好きなんだ!
↓
ダメだ…
やっぱり、シュークリームは、タイでは売れない
↓
じゃあ、シュークリームの生地を、モチモチさせてみるってのはどうだろう?
↓
それだっ
名案だっ!
絶対ヒットするぞ!
…と、このような議論が、
シュークリームの企画会議で、行なわれていたのだろうと推測されます。
こうして、セブンイレブンは、「日本のシュークリーム」を模倣しつつも、
あえてタイ人向けに「もちシュークリーム」にモデルチェンジして、発売しました。
勇気ある決断
これは、かなり勇気のいる決断だったと思います。
なにせ、タイでは日本のスイーツが大人気であるとは言うものの…
「もちシュークリーム」なんていうメニューは、日本にはありません。
下手をすると、
「日本のバッタモンやないかい!」という悪評がついてしまう危険性も、十分にあったわけです。
しかし、そうしたリスクを全て振り切って、あえて「もちシュークリームで行こう!」という決断を下したのですから、
これはやはり「すごいこと」だと思います。
タイ人に大ウケ
そして、蓋を開けてみると…
このもちシュークリームは、なんと、タイで大あたり。
各地のセブンイレブンの店で、「品切れが続出する」という、驚きの事態になりました。
つまり、「もちの食感でいこう」というセブンイレブン側の計算は、見事に当たった、ということになります。
なぜモチモチするの?
このもちシュークリームが、なぜモチモチするかというと、生地に「もち米」が混ぜてあるからです。
そのため、食感としては、シュークリームというよりは、「はんぺん」や「大判焼き」のような感じです。
日本人がこれを食べると、おそらく…
「普通のシュークリームで良くね?」
と、感じるはずです。
実際、私も、そう感じました。笑
「わざわざモチモチにしなくてもいいのに…」と。
でも、中のカスタードクリームは、わりとちゃんと作ってあり、味的には全く問題ありません。
「モチモチした食感は嫌いではない」という人は、結構好きになるかもしれません。
どれくらい売れてるの?
売り上げの詳しい数字は分かりませんが、実感としては、「かなり売れている」と思います。
例えば…
私は先日、もちシュークリームが朝入荷されているのを確認して、1つ購入し、その時はまだ、10個ほど残っていたのですが、
それらは全て、夕方までになくなっていました。
また、私がSNSで知り合ったフォロワーの人の話では、6件ものセブンイレブンを探し回って、6件とも、売り切れだったそうです。
それって、すごいですよね。
やはり、現在、もちシュークリームは、タイで「かなり売れている」のだと思います。
タイのセブンイレブンで見かけた人は、ぜひ、トライしてみましょう!