今回は、「おめでとう」を意味するタイ語のフレーズを、ご紹介していきます。
ただしタイ語には「おめでとう」のニュアンスを表すフレーズがいくつかあるため、「おめでとうをタイ語に訳すとどうなるか」と、1対1で考えるのではなく…
これらの「おめでとう」のフレーズを、それぞれしっかり覚えておいて、「場面ごとに、ちゃんと使い分けができる」という状態が、理想です。
タイ語の「おめでとう」は3つある
日本語のシチュエーションから考えると、「おめでとう」にあたる言葉は、タイ語では次の3通りが挙げられます。
- おめでとう(全般)
- あけましておめでとうございます
- お誕生日おめでとうございます
では、1つずつ見ていきましょう。
最も一般的な「おめでとう」は?
まず、「おめでとう」を意味する、最も一般的で、口語的な表現は、
インディー・ドヮイ・ナ
です。
「インディー」というのは、本来は「喜ばしい」という意味なのですが、転じて、「おめでとう!」という挨拶言葉として使われます。
使い方は?
インディー・ドヮイ・ナ
は、合格や入社など、場面を選ばず、ほぼいつでも「おめでとう」という意味で使用することができますので、
- 入学おめでとう!
- 入社おめでとう!
- 新築おめでとう!
- 結婚おめでとう!
…などなど、「インディー・ドヮイ・ナ」の一言でカバーすることができ、非常に便利です。
ぜひ、覚えておくようにしましょう。
発音が意外と難しい
インディーは、アルファベットで書くと、
「yindee」
となります。頭に「y」の字が入っていますよね。
「yiって、どう発音するの?」って思いませんか?
日本語には、「イ」の音は一種類しかありませんが、
実はタイ語には、[i]の音と[yi]の音がそれぞれ別々にあって、全く違う音なんです。
これについては、【や行の「イ」の発音の仕方】の記事でもご紹介していますので、ぜひ参考になさってみてください。
ポイントだけを簡単に言うと、
[yi]の音は、歯を閉じて、口を思いっきり横に広げて、「ジジジジジ」と、歯の間から息を押し出すような感じで「イ゛」と発音すると、
や行の「イ」に聞こえます。
ですので、今ご紹介している「インディー・ドヮイ・ナ」も、口を横に広げて、
「イ゛ンディー・ドヮイ・ナ」
と言えば、ネイティブの発音っぽく聞こえますので、ぜひ、試してみてくださいね。
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あけましておめでとう
タイ語で「あけましておめでとう」は、
サワッディー・ピーマイ
と言います。
「サワッディー」は、ご存知、「こんにちは」という意味で、
「ピーマイ」は、「お正月」という意味です。
要は、「お正月ですね、こんにちは!」ってことです。
ですので、訳語としては、「あけましておめでとう」となっていますが、
それは、たまたま「日本語でそう言う」ということであって、
タイ語の「サワッディー・ピーマイ」の挨拶には、特に「めでたい」というニュアンスは含まれていません。
というか、タイでお正月が祝われるようになったのは、ほんのここ十数年のことです。
本来タイ人には元旦を祝う習慣はない
少なくとも、20世紀までは、タイで「1月のお正月を祝う」という習慣はありませんでした。
タイのお正月は、4月のソンクラン(水掛祭り)ですから、
「1月1日」というのは、本来、タイでは、普通の「なんでもない日」だったんです。
それが、外国映画や日本のアニメの影響で、特に中産階級を中心に、
「どうやら海外では、一月一日を祝うらしい」という認識が一般化してきて、
「お正月、人に会ったら挨拶する」という習慣が広まりました。
そして、それとともに、
サワッディー・ピーマイ
(あけましておめでとう)
という挨拶が、一般庶民の間にも浸透していった、という経緯があります。
そのため、一般庶民のタイ人にとっては、一月一日を特に「めでたい」という感覚は、ありません。笑
ただ単に、日本語の訳語が、「あけましておめでとう」になっているだけです。
こういう知識も、覚えておくと、異文化理解につながります。
では、一度発音練習をしておきましょう。
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お誕生日おめでとう
おそらく、タイ在住日本人にとって、最も需要があるのは、この「お誕生日おめでとう!」のフレーズではないかと思います。
「お誕生日おめでとう」は、タイ語で
スゥク・サン・ワン・グァーッ
と言います。
若干発音が難しいですが、文頭の「スゥク」は、口を丸めて発音し、「ク」は、声には出さず、口の形だけで「ク」と言います。
また、最後の「グァーッ」というのは曖昧母音で、口をだらんと開けて「グー」と「グアー」の間のような音で発音します。
ではもう一度、練習してみましょう。
スゥク・サン・ワン・グァーッ
(お誕生日おめでとう)
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おそらく一番よく使うフレーズ
「スゥク・サン・ワン・グァーッ」は、今回ご紹介している中では、おそらく、タイで一番よく使うフレーズだと思われます。
何故かというと、
サワッディー・ピーマイ
(あけましておめでとう)
は、1年に1回、元旦の前後ぐらいまでしか使いませんし、
「インディー・ドヮイ・ナ」
(おめでとう)
は、新築祝いや結婚祝いなど、基本的には、晴れの舞台でない限り、普段の生活ではあんまり使いません。
でも、「誕生日おめでとう」は、違いますよね。
あなたに5人の友人がいれば、確実に、1年に5回は、
スゥク・サン・ワン・グァーッ
(お誕生日おめでとう)
を言う機会があるわけです。
そのため、使う機会だけで考えると…
スゥク・サン・ワン・グァーッ
(お誕生日おめでとう)
は、今回の中では最も頻出のフレーズですので、しっかり覚えておくようにしましょう!
また、タイ人は、誕生日パーティーが大好きですから、特に、バンコクなど都市部の飲食店では、
「オーナーの誕生日パーティー」
なんていうのが開催されていたりします。
あなたがもし、バンコクに行きつけのお店がある場合は、オーナーや従業員の誕生日を聞いておくと、来年誘ってもらえるかもしれませんね。
まとめ
今回は、日本語の「おめでとう」に相当するタイ語フレーズを、3つ、ご紹介してきました。
最後にもう一度、おさらいしておきましょう。
- インディー・ドヮイ・ナ
(おめでとう・全般)
-
サワッディー・ピーマイ
(あけましておめでとう)
-
スゥク・サン・ワン・グァーッ
(お誕生日おめでとう)
これらのフレーズはすべて、「めでたい!」という気持ちを表現するわけですから、
言われたほうは、確実に嬉しいです。
いわば、「ポジティブなフレーズ」ですから、使っていると、周囲のタイ人にも喜ばれて、あなたのタイ生活も確実に楽しくなっていきます。
今回ご紹介した「おめでとう」のフレーズは、タイでどんどん使っていくようにしましょう!