「辛い」はタイ語で「เผ็ด ペッ」と言います。
「เผ็ด ペッ」はけっこう有名なので、
知っている人も多いと思います。
タイ料理を食べた感想をタイ語で言うとき、
「アローイ(おいしい)!」
と言って料理を褒めることはもちろん大切ですが、
「どう美味しいのか」
辛いのか、甘いのか、それとも酸っぱいのか…など、
あなたが感じた味覚を、タイ語でもっと詳しく説明することができれば、会話の幅はさらに広がります。
そこで今回は、「甘い/辛い/酸っぱい」など、
味覚を表すタイ語単語について、ご紹介していきます。
1:ペッ(辛い)
まず、タイ生活において最も重要な味覚のワードは、
「เผ็ด ペッ(辛い)」
です。
「タイ料理と言えば辛い」
と言っても過言ではないほど、タイの料理には、おしなべて辛い味付けがされています。
タイで生活を始めると、おそらく1日に3回以上は
「เผ็ด ペッ(辛い)!」
という言葉を言うことになります。
なので、
まずは、この単語を完璧に言えるようにしておきましょう。
声調は、低く平らな音で、「ペッ_」と発音します。
また、形容詞の後ろに「マーク」を置くと、「とても~」と強調を表します。
「ペッ・マーク」で「とても辛い」という意味です。
今回の音声はすべて、
↓
ペッ・マーク(とても辛い)
という2種類の言い方が、順に発音されます。
●เผ็ด ペッ(辛い!)
●เผ็ดมาก ペッ・マーク(めっちゃ辛い!)
↓音声はこちらから
2:ワーン(甘い)
「辛い」に続いて、重要なタイ料理の味覚は、
「หวาน ワーン(甘い)」
です。
タイのローカルお菓子や、
激甘アイスコーヒーはもちろんのこと…
タイでは、クイティアオ(タイラーメン)やスープなどにも、大量のお砂糖が入っていることがあります。
【タイ語で「コーヒーに砂糖を入れないで」は何と言う?】の記事はこちら
そして、お砂糖以外にも、
マカーム(タマリンド)や、ナムオイ(サトウキビ)など、
タイ料理には、甘みを加える食材がふんだんに使われています。
こうした甘いタイ料理を食べたときには、
●หวาน ワーン(甘い)
●หวานมาก ワーン・マーク(めっちゃ甘い!)
と、言ってみましょう。
3:ピアオ(酸っぱい)
「辛い/甘い」と来て、
次に重要なタイ語の味覚ワードは、
「เปรี้ยว ピアオ(酸っぱい)」です。
なお、つづり通りの正式な発音は「priao(プリアオ)」ですが、
タイ人との日常会話では二重子音のrが抜けて発音されることが多く、
また、日本人はこうした「二重子音」の発音が苦手な人が多いので、
「r」を抜いて「piao(ピアオ)」
と読んだ方が通じやすいです。
タイ料理の代表的なメニューと言えば
「トムヤムクン」ですが、
トムヤムクンのスープというのは、辛さと酸っぱさとが融合しているところに、おいしさの真髄があります。
そのため、
「เปรี้ยว ピアオ(酸っぱい・酸味)」
というのは、タイ料理の味付けの中では、極めて重要な地位を占めています。
では、「ピアオ」の音声を聞いてみましょう。
●เปรี้ยว ピアオ(酸っぱい)
●เปรี้ยวมาก ピアオ・マーク(めっちゃ酸っぱい!)
タイの屋台で一品料理を頼むと、
カットしたマナーオ(ライム)を出してくれることがあります。
私も初めてタイに来たときは、
「カオパット(炒飯)にライム??」
と、違和感を覚えたものです。
しかし、慣れてくると、
不思議なもので、、
ライムを絞らずに食べるカオパット(チャーハン)は、「なんだか物足りない」と感じるようになりました。
カオパットに限らず、
パッタイ(タイ焼きそば)やその他炒め物など、ライムは様々な料理に付け合わせとしてついてきます。
また、クイティアオ(タイラーメン)のお店では、調味料がテーブルに置いてありますが、
客は、店で出されたクイティアオに、唐辛子とお砂糖、お酢をお好みで投入します。
この3つはそれぞれ、
เผ็ด ペッ
●お砂糖 甘さ
หวาน ワーン
●お酢 酸っぱさ
เปรี้ยว ピアオ
これらを、つかさどっているわけです。
この3つは、「タイ料理の3大味覚」と呼ばれています。
それぞれが自己主張をしすぎず、控えめすぎず、
独自の味を演出しあっているのが、タイ料理の魅力だというわけです。
とりあえずはこの3つが必須なので、
しっかり覚えておいて、
この他にも、味覚に関するタイ語を、
もう少し見てみましょう。
4:ケム(しょっぱい)
「しょっぱい!」は、タイ語で
เค็ม ケム
と言います。
タイ料理は基本的に、あまり塩味を大量に使わないので、
「เค็มケム (しょっぱい!)」
という言葉を使う機会は多くないかもしれません。
しかし、これはあくまでも、
バンコクなどの都市部の中級以上のレストランに限った話です。
ローカル屋台や田舎のお店などに行くと、
たまに、びっくりするぐらいしょっぱい味付けがされていることがあります
なので、念のため、
เค็ม ケム
(しょっぱい!)
という単語も、
覚えておきましょう。
また、ナムプラー(魚醤)も、基本は塩味ですので、
ナムプラーのかけすぎで料理がしょっぱくなることもあります。
●เค็มケム(しょっぱい!)
●เค็มมากケム・マーク(めっちゃしょっぱい!)
5:コム(苦い)
「苦い」はタイ語で
ขม コム
と言います。
先程の「เค็มケム(しょっぱい)」と
「ขมコム(苦い)」は、
響きがよく似ていて、
若干ややこしいです。
「เค็มケム(しょっぱい)」と
「ขมコム(苦い)」、
この2つは混同しないよう、
セットで覚えておきましょう。
タイの田舎の農村へ行くと、
そのへんの野山に生えている草や木の実などを、ハーブとして生でかじったりすることがあります。
こうしたハーブは、辛さや熱を中和したりする働きがあり、体にも良いのですが、
たまに、ものすご~く「苦い」ことがあります。
そんな時は、「ขม コム(苦い!)」と言ってみましょう。
●ขม コム(苦い!)
●ขมมาก コム・マーク(めっちゃ苦い!)
6:ケムコン(濃い)
味覚に関連して、「濃い」という単語も覚えておきましょう。
タイ語では、
「เข้มข้น ケムコン
(濃い/コクがある)」
と言います。
ちなみに日本語では、
濃い味も薄い味も、どちらもそれぞれの良さが認められています。
しかし、
タイでは一般的に、
● 濃い→おいしい
● 薄い→おいしくない
という認識がされています。
そのため、
「เข้มข้น ケムコン(濃い/コクがある)」
というフレーズは、タイ語では基本的に、
「褒め言葉」として使います。
そういう背景を踏まえると、
「เข้มข้น ケムコン」の訳語は「濃い」よりも、
「濃厚だ、コクがある」
の方が、ニュアンス的にはしっくりくるかもしれません。
●เข้มข้น ケムコン
(濃厚だね! コクがあるね!)
●เข้มข้นมาก ケムコン・マーク
(めっちゃコクがあるね!)
7:ヂューッ(薄い)
「薄い」は、タイ語で
จืด ヂューッ
と言います。
先程の「เข้มข้นケムコン(濃い/コクがある)」とは逆で、
「จืดヂューッ(薄い)」
という言葉は、
どちらかというと、タイでは一般的に「けなし言葉」のような位置づけです。
【アイスコーヒーの氷が溶けて味が薄すぎる件】の記事はこちらタイ料理の中には、「ゲェン・ヂューッ(薄いスープ)」という名前が付いているものもありますが、
「ヂューッ」が味として認知されているメニューはそれくらいで、
一般的にはやはり、「薄い=美味しくない」という共通認識があります。
そのため、もしもあなたが、
「薄口でおいしい」
と感じたとしても、、
タイの人にとっては、
「薄い=美味しくない」なので、
「薄口でおいしい」というニュアンスをタイ語で伝えるのは、なかなか難しいです。
●จืด ヂューッ(薄味だね!)
●จืดมาก ヂューッマーク
(めっちゃ薄味だね!)
まとめ
今回は、「甘い/辛い/酸っぱい」など、
味覚に関するタイ語単語について、
ご紹介してきました。
最後にもう一度、今回のフレーズを
すべて聞き流してみましょう。
↓音声フル
●เผ็ดมาก ペッ・マーク
(めっちゃ辛い!)
●หวาน ワーン(甘い)
●หวานมาก ワーン・マーク
(めっちゃ甘い!)
●เปรี้ยว ピアオ(酸っぱい)
●เปรี้ยวมาก ピアオ・マーク
(めっちゃ酸っぱい!)
●เค็ม ケム(しょっぱい!)
●เค็มมาก ケム・マーク
(めっちゃしょっぱい!)
●ขม コム(苦い!)
●ขมมาก コム・マーク
(めっちゃ苦い!)
●เข้มข้น ケムコン
(濃厚だね!コクがあるね!)
●เข้มข้นมาก ケムコン・マーク
(めっちゃコクがあるね!)
●จืดヂューッ(薄味だね!)
●จืดมากヂューッ・マーク
(めっちゃ薄味だね!)
これらの7つのタイ語フレーズをしっかり練習して、
ぜひ、タイ料理の感想を、タイの人にタイ語で伝えてみましょう!
追記
なお、上記でご紹介した以外に、
「ちょっとだけ辛くして」
「あまり甘くしないで」
など、味を微調整をしたい時のフレーズは、
こちらの記事も、参考にしてみてください。