タイ語で、「日本」のことは、「ญี่ปุ่นイープン」と言います。
しかし、これは意外に難しい発音で、
実際に、日本人が「イープン」と言っても、タイ人に通じないことがよくあります。
そこで今回は、「ญี่ปุ่นイープン(日本)」の発音が難しい理由と、
発音のコツについて、お話ししていきます。
「ญี่ปุ่นイープン(日本)」の発音
まず、「ญี่ปุ่นイープン(日本)」という言葉を、アルファベットで表記すると、
「yiipun」
に、なります。
これだけを見ると、「そんなに難しくないんじゃないの?」と、思いますよね。
「yii」の音は意外に難しい
難しいのは、頭の「yii」の部分です。
もしも、この音が本当に「イー」なら、表記は「ii」でも良いはずです。
でも、頭に「y」がついています。
これはつまり、「や行のイ」という意味です。
日本語には「yi」が無い?
日本語の五十音表では、や行は
「やいゆえよ」
ということになっていますから、
現代日本語には、「や行のイ」というものは、ありません。
奈良時代の頃はまだあったらしいんですが、
時代と共に、「や行のイ」の発音は、日本語からなくなってしまいました。
そのため、現代では、日本人は、
「あ行のイ」も、
「や行のイ」も、
全く同じように発音します。
しかし、タイ語はそうではありません。
「あ行のイ」と、
「や行のイ」を、
厳密に、区別しています。
そのため、日本人が、
「や行のイを、発音してみ?」
と言われても、パッとできないわけです。
「ญี่ปุ่นイープン(日本)」はどのように発音すればよいか
そして、今回のテーマである、「ญี่ปุ่นイープン(日本)」は、頭が「yii」ですから、
「あ行のイ」ではなく、「や行のイ」で発音しなければなりません。
これが、多くの日本人にとって、「ญี่ปุ่นイープン(日本)」という言葉が正しく発音できない、最大の原因です。
「や行のイ」を発音するコツ
では、「や行のイ」は、どのように発音すればよいのか。
これは、舌と歯を使います。
まず、舌の先を、歯の裏側に当てます。
そして、歯に息を当てて、振動させながら、
「ジジジジジ」という音を出します。
この段階では、まだ「声」ではなく、ただの「息の音」です。
歯の間から、
「ジジジジジ」
という音は、出ていますか?
そして、この状態で、「イ」という声を出します。
「ジ」ではありません。
あえて言えば、「ジ」と「イ」の中間のような音です。
ここではあえて、「イ゛」と書いておきましょう。
これが、
「ญี่ปุ่นイ゛ープン(日本)」の「イ゛」の音です。
イ と イ゛を区別する
そして、
「あ行のイ」を出すときには、「両者の違い」をハッキリさせておいたほうが通じやすいですから、
「あ行のイ」は、舌を歯につけず、口の奥で舌をじっとさせておいて、「イ」と言いましょう。
こうすれば、「イ」と「イ゛」を、明確に区別して、発音することができます。
では、実際の発音を聞いてみましょう。
↓音声はこちらから
イ゛ープン(日本)
「日本(イ゛ープン)」の発音練習
また、せっかくですから、「日本(イ゛ープン)」がつく頻出語を、いくつか見てみましょう。
タイ語と日本語では、語順が逆になりますから、
「日本の○○」は、「○○・イ゛ープン」になります。
コン・イ゛ープン
(日本人)
パサー・イ゛ープン
(日本語)
アハーン・イ゛ープン
(日本料理)
という感じになります。
そんなに変わらない??
でも、
こうして実際に発音を聞いてみると…
『イ』とほとんど変わらなくね?
と、感じると思います。
それは、かれらタイ人が、生まれつき「イ」と「イ゛」を区別しているため、
我々日本人が聞いても、極端な違いには聞こえないからです。
でも、我々日本人が発音するときは、ある程度極端にしておかないと、タイ人は、「どちらのイなのか」を判別できません。
そういうわけで、今回の記事では、あえて極端に、
「ジジジジジ」⇒「イ゛(yi)」
という発声練習を、推奨しているわけです。
まとめ
では、最後にもう一度、「ญี่ปุ่นイープン(日本)」の発音を、練習してみましょう。
イ゛ープン
(日本)
コン・イ゛ープン
(日本人)
パサー・イ゛ープン
(日本語)
アハーン・イ゛ープン
(日本料理)
ポイントは、「あ行のイ」と「や行のイ゛」との間に、自分の中で「差」をつけることです。
今回は、「ญี่ปุ่นイープン(日本)」の発音のお話でした。