どうもこんにちは、でんいちです。
タイ語で「終わった」という時、言い方が4つもあるのをご存知でしょうか。
今回は、タイ語で「終わった」を意味する、4つのフレーズを紹介しながら、
その意味やニュアンスの違いについて、お話をしていきます。
動画はこちら
↓
先日、タイ語には、「ダイとペン」など、
「できる」を表す語が複数ある、という話をしたんですが、
タイ語ではこのように、
「似たような意味なのに単語が複数存在する」というケースがままあります。
そして、今回お話しする、「終わった」という意味を表すタイ語のフレーズは、4つもあります。
それは、
ルーク・レェーオ
ヂョップ・レェーオ
モット・レェーオ
の4つです。
この4つは、いずれも「終わる」「終わりました」という意味を持つのですが、
それぞれ、使いどころが違います。
では、「終わる」を意味する4つのタイ語単語について、見ていきましょう。
セット・レェーオ
まず、一番スタンダードなのは、「セット・レェーオ」です。
「セット・レェーオ」で、「もう終わりました」という意味です。
「セット・レェーオ」は、「動作が終わる」というニュアンスがあります。
たとえば、子供が宿題をする、学生がレポートを書く、会社員が資料作りを終える、
こういうときに、「セット・レェーオ」と言います。
なお、今回の単語には、すべて後ろに、完了の「lɛ́ɛo レェーオ」をつけて、紹介したいと思います。
なぜかと言うと、日常生活では、「終わる」という言葉は、
「もう終わりました」という完了の意味で使われることが多いからです。
「lɛ́ɛo レェーオ」は文末に付けて、「もう○○してしまった」という完了の意味を表します。
なので、「セット(終わる)」という言葉も、単語単体ではなく、「セット・レェーオ」というフレーズで覚えておきましょう。
セット・レェーオは「動作が終わる」「作業が終わる」というニュアンスで、
最も基本的な意味の「終わった」という言葉です。
ルーク・レェーオ
では次です、2つ目は、「lə̂ək ルーク」。
「lə̂ək ルーク」は、拘束時間が終わる、のようなニュアンスです。
「ルーク」の発音はあいまい母音なので、口をだらんと開けて、lə̂ək ルークと発音します。
「ルーク」の使いどころとしては、たとえば、ルーク・リアンでその日の授業が終わる、
ルーク・ンガーンで、その日の仕事が終わる、という意味です。
ngaan ンガーンは「仕事」という意味です。
「ルーク・ンガーン」というのは、業務内容が終わっていようが終わっていまいが、
あくまでも、その日1日の就業時間が終わって退社する、という意味です。
なので、例えば、その日の業務がまだ終わっていないけれど、
用事があるので5時で退社する、というケースを考えてみましょう。
この場合は、仕事は終わっていないので、ヤンマイセットです。
でも、拘束時間が終わったので、ルークンガーンということになります。
恋人と別れる
なお、「ルーク」には、もう1つ、重要な用法があります。
それは、恋人と別れる、という意味です。
「恋人ともう別れた」というとき、「ルーク・レェーオ」
あるいは、「互いに」を意味する「ガン」を後ろに置いて、「ルークガンレェーオ」と言います。
「ルーク・レェーオ」または「ルークガンレェーオ」、これで、「恋人ともう別れました」という意味になります。
ちなみに、バンコクやパタヤなど、都市部に出稼ぎに来ている女性は、シングルマザーの率が非常に高い、という傾向があり、
そのため、彼女たちの身の上話を聞いていると、「ルーク・ガン・レェーオ(恋人とはもう別れました)」という言葉をよく耳にします。
なので、「ルーク・レェーオ」「ルーク・ガン・レェーオ」などのフレーズも、ぜひ覚えておきましょう。
ヂョップ・レェーオ
では次です。
3つめの「終わる」は、「còp ヂョップ」という単語です。
「còp lɛ́ɛo ヂョップ・レェーオ」も、「終わった」という意味があります。
「ヂョップ・レェーオ」は、「映画やドラマが終わる」「一連のストーリーが終わる」のようなニュアンスです。
例えば、タイの人はTVドラマが大好きで、毎晩見ている、という人が多いのですが、
ドラマがもう最終回になった、というときは、「ヂョップ・レェーオ」と言います。
また、スピーチが終わる、演劇や演奏が終わる、あるいは母親の説教の終わる、なども「ヂョップ・レェーオ」を使います。
つまり、「còp lɛ́ɛo ヂョップ・レェーオ」は、何かしら一連のストーリーが、完結する、のようなニュアンスです。
学校を卒業する
また、ヂョップには、「学校を卒業する」という意味もあります。
これも、先ほどの「ストーリーが完結する」のニュアンスと、通じるものがあると思います。
イメージとしては、アニメで、中学編、高校編が終わる、のようなニュアンスで考えると、分かりやすいです。
「勉強する」はrian リアンと言いますので、
「リアン・ヂョップ」で卒業する、
「リアン・ヂョップ・アライ」で何を分野を卒業しましたか、何学部を卒業しましたか、のような意味になり、
大人同士の会話では、わりとよく聞かれます。
では、リアンヂョップ(卒業する)と、この1つ前に紹介した「ルークリアン」との違いを考えてみましょう。
「ルーク」も、「ヂョップ」も、どちらも終わるという意味の動詞ですが、
「ルーク・リアン」は「夕方、その日の学校の授業が終わる」という意味です。
これに対し、「リアン・ヂョップ」は「学校を卒業する」という意味です。
「ルーク・リアン(その日の授業が終わる)」
「リアン・ヂョップ(卒業する)」
リアンの位置がそれぞれ入れ子になっていますが、細かいことはあまり気にせず、
2つとも、熟語で覚えておきましょう。
モット・レェーオ
はい、では最後、タイ語の4つ目の「終わった」は「モット・レェーオ」というフレーズです。
「mòt lɛ́ɛo モット・レェーオ」も、「終わった」という意味があります。
これは、「尽きる、なくなる」というニュアンスです。
例えば、レストランへ行って、その日の食材が完売しました、という時、「モット・レェーオ」と言います。
今回、先に紹介した、3つの「終わった」というフレーズ、「セット・レェーオ」「ルーク・レェーオ」「ヂョップレェーオ」。
この3つは、3つとも、人間の動作に対して使われるので、区別が若干ややこしいです。
しかし、4つ目の「モット・レェーオ」は、「ストックが尽きる」という意味で、おおむね物に対して使います。
なので、これだけは他の3つとニュアンスが違うので、覚えやすいと思います。
タイ語の4つの「終わった」
はい、今回は、タイ語で「終わった」を意味する4つの単語をご紹介しました。
タイ語の単語帳などを見ると、「終わった」のタイ語訳は、大体「セット・レェーオ」というフレーズが載っているので…
タイ語を勉強中の日本人は、ついつい、「セット・レェーオ」のフレーズをすべての場面で使ってしまいがちです。
しかし、今回お話ししてきたように、タイ語で「終わった」を意味する単語は、4つもありますので、
「ルーク・レェーオ」
「ヂョップレェーオ」
「モット・レェーオ」
この4つの動詞を、場面ごとに使い分けなくてはなりません。
例えば、会社員の1日で考えると…
ある資料を作っていて、それが作り終わったら、「セット・レェーオ」と言います。
そして、夕方5時で退社したら、「ルーク・ンガーン・レェーオ」と言います。
そして、家に帰って、ドラマや映画を見終わったら、「ヂョップレェーオ」と言います。
そして、お菓子やおつまみがなくなったら、「モット・レェーオ」と言います。
いずれも、「もう終わりました」という意味なのですが、
それぞれニュアンスが微妙に違います。
みなさんも、各自の生活の中で、「終わった」という言葉を使うとき、
4つのうちのどの終わったなのかを考える習慣をつけてみましょう。
こうすることで、ニュアンスの微妙な違いが少しずつ分かってきます。
では、本日の動画は以上になります。
どうもご視聴ありがとうございました!
【本日のポイント】
(1)
セット・レェーオ
sèt lɛ́ɛo
動作が行為、作業などが終わる
セット・レェーオ・ロォ?
(作業は)もう終わったの?
ヤン・マイ・セット
(作業は)まだ終わってません
(2)
②ルーク・レェーオ
lə̂ək lɛ́ɛo
拘束時間が終わる
ルーク・リアン
(下校する)
ルーク・ンガーン
(退社する)
ただし、ルークには
「恋人と別れる」という意味もある
ルーク・ガン・レェーオ
lə̂ək kan lɛ́ɛo
(恋人とはもう別れました)
(3)
ヂョップ・レェーオ
còp lɛ́ɛo
ドラマや映画など、
一連のストーリが終わる
リアン・ヂョップ
(学校を卒業する)
(4)
モット・レェーオ
mòt lɛ́ɛo
ストックが尽きる
売り子さんが「もう売り切れました」
という時、「モット・レェーオ」と言う
セット・レェーオ
(作業が終わる)
เลิก แล้ว lə̂ək lɛ́ɛo
ルーク・レェーオ
(拘束時間が終わる)
จบ แล้ว còp lɛ́ɛo
ヂョップ・レェーオ
(ストーリーが終わる)
หมด แล้ว mòt lɛ́ɛo
モット・レェーオ
(ストックが尽きる)
これら4つの
「終わった」のニュアンスを
正しく理解して、
会話の中で、
使い分けていくようにしましょう!
本日も、ご視聴ありがとうございました。