タイでは、民家の軒先や路上のベンチなどに、
かなりの高確率で、「裸のおっさん」が座って、食べたり 飲 んだりしているのを見かけますよね。
彼らはなぜ、屋外で、裸で座っているのでしょうか?
今回は、タイの定番風景の1つである「裸のおっさん」にスポットを当て、
彼らがいつも、屋外で裸で座っている、「3つの理由」について、ご紹介していきます!
1.最も涼しい場所を選んでいる
理由の1つ目は、屋外の日陰が、一番涼しくて「快適だから」です。
今でこそ、タイでも多くの家庭で、エアコンを取り付けていますが…
昔は、町に唯一のショッピングセンターについているぐらいで、
一般の家庭には、エアコンなんて、ありませんでした。
そうなると、必然的に…
エアコンなしで、最も涼しい過ごし方を、模索する必要性が出てきます。
エアコンのかわり
そこで、タイのおっさんたちが編み出した方法が…
「裸で、家の軒先や路上のベンチに座る」
という方法です。
これ、やってみるとわかりますが、結構快適です。
特に夕方は、涼しい風が吹きますから、
シャワーを浴びたあと、服は着ずに、
少し濡れた状態のままで、
ベンチに座り、風にあたる…
というのが、まさに「エアコンがわり」になります。
これは、エアコンや扇風機のない時代から…
「いかにして、涼しく、快適に過ごすか」
ということを模索して、試行錯誤の末に得られた、「生活の知恵」だと言えます。
2.仲間を誘いやすい
タイでは基本的に、「宅 飲 み」であっても…
家の「中」ではなく、家の「軒先」で、料理や 飲 み物を広げようとします。
これは、前項の、「そこが一番涼しいから」という理由と、もう一つ…
「仲間を誘いやすい」
というメリットがあります。
寂しがりの国民性
タイ人は基本的に、
「賑やかであればあるほど良い」
という発想します。
こうなると、たとえ「宅 飲 み」であっても…
随時「そのメンバーを、増やしていきたい」と考えるわけです。
でも、家の中で 飲 んでいては、仲間を誘いにくくなってしまいますよね。
その点、家の軒先であれば…
通りがかった人「全員」に、声をかけることができます。
また、通りがかった人も、
「おっ、今日もやってるねー」
なんて言って、仲間に加わることができます。
実際のところ、あなたもタイで…
こうした「屋外でのプチ食事会」に、全く知らないタイのおっさんから、
と、誘われたことがあるのではないでしょうか。
他人を食事に誘うのは普通のこと
タイでは、他人が食事に加わることは、至って普通のことですから…
家主のおっさんも、通りがかりのおっさんも、皆が気軽に、楽しく、食事に参加できる…というわけです。
もしもタイで、こうした「軒先の、裸の、宅 飲 み」をしているおっさんがを見かけたら…
あなたも、どしどし参加してみましょう。
地元の友好関係を築くことにもつながりますし、何より…
夕方、水のシャワーを浴びて、昼間にほてった体を冷まし、
そのまま、民家の軒先で、他人の宅 飲 みに合流する…
これは、タイ生活の、大きな楽しみの1つです。
もう一つの意外な理由とは
前項まででご紹介した、
「軒先が、最も涼しい場所だから」
「軒先が、仲間を誘いやすいから」
というのは、理由としては、比較的、判りやすいですよね。
実際のところ、私も、ある時期までは…
彼らが軒先で「宅 飲 み」をする理由は、この2つだけだと思っていました。
しかし近頃、
新たに、意外な「3つめの理由」が分かったんです。
それを、次にご紹介していきます。
3.防犯上の理由
3つ目の「意外な理由」とは、「防犯上の理由」です。
この理由は、私も長年の間、気付かずにスルーしていたのですが、
要は、軒先に座っていれば…
「誰が家に入ってきたのかすぐに分かる」ってことです。
現代でも、タイの農村へ行くと…
「戸締りがけっこう適当」
だったりします。
周りは親戚ばかり
一応、各家庭で、南京錠なども、持ってはいるのですが…
タイの農村では、
「家の周辺がほぼ全員親戚」
ということもよくあり、こうなると、
ほんのちょっと外へ出るぐらいでは、わざわざカギなんて掛けません。
また、今でこそ、タイでも、頑丈な扉の家が増えてきていますが、
昔は、タイで「家の扉」と言えば、いわゆる「戸板」や「トタン板」が主流で…
入ろうと思えば、誰でも簡単に入れるような構造の家が、ほとんどでした。
留守番は必須
こうなると、家には「留守番」というものが、必要になります。
この留守番役が、
今回の主役、「裸のおっさん」です。
でも、この留守番役の裸のおっさんが…
もしも、「家の台所」に座っていたら、どうなるでしょうか??
不審者が家に侵入しても分からないですから、不測の事態に、対応できなくなります。
こうなると、必然的に…
「軒先に座って、
仲間とおしゃべりして、
飲 みながら、留守番をする」
ってことになります。
意外と合理的
つまり、
「どうせ留守番で、ずっと軒先に座ってなきゃいけないんだから、だったら、裸のままで、ゆっくり飲 もうぜ!!」
ってことなんです。
私は、この理由をタイ人に教えてもらったとき…
「なるほど、合理的だ!!」
と、膝を叩いて深く感心しました。
実際のところ、せっかく留守番をしていても、家の中で、スマホ見ながら寝そべっていたら…
そのまま、不審者に寝首をかかれてしまうことだってありますよね。
でも、家の軒先に、裸のおっさんが座っていたら…
不審者も、オイソレとは入りにくいんです。
あの屋外の食事会には、そんな意外な効能もあった…というわけです。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、タイで、路上のベンチや家の軒先に必ずと言って良いほど『裸のおっさん』がいる、
「真の理由」について、ご紹介してきました。
タイで、裸のおっさんが、家の軒先に座っているのは…
2.仲間も誘いやすく、
3.なおかつ、不審者から家を守ることができる
…という、すばらしい3つのメリットがあったんです。
なかなか「合理的だ」って思いませんか。
あなたがタイでもしも、裸のおっさんを見かけた時は…
「お留守番、お疲れ様っ♪」
と、優しいエールを送ってあげるようにしましょう!
追記
でも、こうした屋外での食事会に連日参加していても、
あなたの海外生活の『孤独感』というものを、完全に癒やすことはできません。
⇒【タイで孤独を感じた時の対処法】
こちらの記事も、ぜひ参考になさってみてください。