「自分の子供を、バイリンガルに育てたい!」
これはおそらく、
海外で結婚した人の多くが
抱いている願望ではないでしょうか。
このカテゴリでは、
どのようにすれば、タイでハーフの子供をバイリンガルに育てることができるのか、ということについて、数回に分けて、ご紹介していきたいと思います。
父親だけが日本人の場合、子供が日本語を話せるようになるのは難しい
海外で結婚し、子供を持つケースとしては、
2つのケースが考えられます。
①父親がタイ人で、母親が日本人。
②父親が日本人で、母親がタイ人。
このうち、
①の母親が日本人で、
親子でタイで生活しているという場合は、
子供は比較的バイリンガルになりやすいです。
子供は、
お母さんから最もたくさんの言葉を学ぶからです。
家の中では、
お母さんから日本語を学び、
家の外では、
タイ社会でタイ語を学ぶことができるため、
母親が日本人の場合、
子供はバイリンガルに育ちやすいです。
反対に、
バイリンガルになりにくいのは、
②の父親が日本人で母親がタイ人というケースです。
この場合、子供は、
家の中でも家の外でも、
タイ語だけを使って生活しますから、
日本語を覚える機会がほとんどありません。
私の見る限り、
父親が日本人で、
日本人学校などにも通っていない場合、
子供が日本語を話せるようになるケースというのは、
極めて稀です。
再現性のある方法
しかし、私自身、
日本人男性としてタイに移住し、
タイ人女性と結婚して子供を育てていたとき、
「どうすれば子供はバイリンガルになるのか」
という方法論を、
研究し、試行錯誤を重ねました。
そして、私が自分なりに
「子供をバイリンガルに育てる方法」を
編み出すことができ、
自分の育児の中で実践してきました。
その結果、私のハーフの息子は、
タイ在住でありながら、
日常生活に不自由ない程度まで
日本語を使えるようになり、
自分の方法論は間違っていなかった、
と確信を得るに至りました。
そこで、自分のそうした経験から、
同じように我が子の日本語教育で悩んでいる、
親御さんたちに対し、
少しでも手助けができないか、と考え、
今回「バイリンガルに育てる方法」と題し、
記事のカテゴリを新たに設けた次第です。
また、これからご紹介していく方法には、
再現性があります。
つまり、たまたま私一人ができた、
というような方法ではなく、
ほかの家庭でも、
私がやってきたのと同じようにすれば、
たとえ父親が日本人であっても、
子供をバイリンガルに育てることができる、
ということです。
そこで、
今回から数回に分けて、
「父親が日本人でも子供をバイリンガルに育てる方法」
と題し、お話をしていきたいと思います。
子供をバイリンガルに育てるための3つの心構え
第一回となる今回のテーマは、
マインドセット、心構えについてです。
ハーフのお子さんをバイリンガルにするためには、
おなたは、ただ放っておくだけではいけません。
あなたは子育てに際し、
3つの心構えを持っていなければなりません。
自分の子供と日本語で会話をしたい
まず1つめは、
「自分の子供と日本語で会話をしたい」
という心構えです。
これは心構えというよりも、
あなたの「強い願い」です。
これからご紹介するいくつかの方法論は、
この願いが元になっています。
「子供をバイリンガルにしたい」ではなく、
あくまでも、
「自分が子供と日本語で話をしたい」と、
自分中心で取り組んでいく、ということです。
「子供をバイリンガルにしたい」というのは、
子供が中心になっていますから、
やってるうちに、
だんだんどうでもよくなってきます。笑
しかし、
自分が物事の中心であれば、
モチベーションも上がりやすく、
「具体的にどうすればいいか」
ということに頭を使うことができます。
ですので、まずは
「自分が子供と日本語で会話をしたい」
という願望を、ずっと保ち続けるようにしてください。
その願いは、必ず子供にも伝わりますから、
子供のモチベーションの維持にも、大いに効果を発揮します。
極力タイ語を使わないようにする
2つめは、
ハーフの子供との会話では、
極力タイ語を使わないよう心がける、
ということです。
他の記事でも書いていますが、
総合的に見て、
タイ語は非常に簡単な言語です。
そのため、
日本人のお父さんたちは、
ハーフの子供との会話で、
ついついタイ語を使ってしまいがちです。
しかし…
子供にとって唯一の日本語の話し相手であるあなたがタイ語を使ってしまっては、子供は日本語を使う機会を完全に失ってしまいます。
そのため、
少なくとも子供との会話においては、
タイ語の使用を禁止、
もしくは最小限にしなければなりません。
子供と積極的にコミュニケーションを取る
最後3つめは、
普段からの積極的なコミュニケーションです。
これはハーフの子供に限らず、
すべての子育てにおいて言えることです。
子供に何かを教えるとき、
最も大切になるのは、
普段のコミュニケーションです。
具体的には、
- 一緒にご飯を食べる
- 一緒にお風呂に入る
- 一緒に遊ぶ
- 共同作業をする
- ハグなどのスキンシップ
…などです。
タイで暮らすハーフの子供にとって、
日本人の父親は、外国人です。
もしも日本人の父親が、
ハーフの子供と、
普段からあまりコミュニケーションがない状態で、
いきなり
「俺が日本語を教えてやろう」
というような態度で接してしまった場合、
子供はどのように考えると思いますか?
子供にとって、そんな父親は
「ただ日本語押し付けてくるだけの、うっとおしい存在」
になってしまいます。
これでは、
子供の学習意欲は全く沸いてきません。
しかし反対に、
父親が普段からコミュニケーションがしっかりできていれば、
子供は「大好きなお父さんと日本語で会話をしたい!」
と願うようになります。
「教える側と教わる側との信頼関係」
これがなくては、どのような教授法も、
成立しないんです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、
ハーフの子供をバイリンガルに育てるための、
一番根本となる心構えとして、
- 「子供と日本語で会話をしたい」という願いを、普段から保ち続ける
- タイ語を極力使わないようにする
- 子供と普段から積極的にコミュニケーションを取る
という、3つの心構えについてご紹介してきました。
次回以降でご紹介していく、
子供をバイリンガルに育てるための具体的な方法は、
全て、この3つの心構えが元になっています。
中でも最も大切なのは、
一番初めの、
「自分の子供と日本語で会話をしたい」
という強い願いです。
心理学でよく言われる「鏡の法則」は、
子育てにおいても重要です。
自分が相手に対して強く願っていることは、
相手にも必ず伝わります。
ましてやそれが、
自分の子供であれば、なおさらです。
子供はお父さんの願いに、
「何とか応えたい」
と思うようになります。
まずはこれが、
子供をバイリンガルに育てるための、
第一歩です。
また、絶対に、焦ってはいけません。
あれもこれも詰め込もうとすると、
子どもは日本語の習得が嫌になってしまいます。
タイで子供を育てる場合、日本語は、
子供にとってはただでさえ身近ではない言語ですから、
難しいのは当たり前です。
焦らずに、ゆっくりやりましょう。
今回ご紹介した、
- 「子供と日本語で会話をしたい」という願いを、普段から保ち続ける
- タイ語を極力使わないようにする
- 子供と普段から積極的にコミュニケーションを取る
この3つの心構えを保ち続けていれば、
あなたの子供は、いつか必ず、
あなたと日本語で会話をしてくれるようになりますよ!
次回からは、具体的な方法について、
ご紹介していきます。
子育ての基本は世界中どこでも同じ~親と子の信頼関係があれば、子育ては必ずうまくいく。