ハーフの子を育てる上で最も大切なことは、褒めることと、叱ることです。
これは古今東西、日本やタイなど国を問わず、子を持つ親が常に心がけておかなければならない、世界共通の最重要項目でもあります。
今回は、バイリンガル教育の第5回として、
「褒めることと叱ること、この2点が、バイリンガル教育でも重要な意味を持っている」ということについて、お話をしていきたいと思います。
親と子の間には、信頼関係が必要
「褒めることと叱ること」
この2点が、なぜ育児で重要なのか。
それは、
家庭内でこの2点が欠けていると、親と子の信頼関係を築くことができないからです。
- いいことをすれば褒めてもらえる。
- 悪いことをすれば叱られる。
これらがルールとして定まっているからこそ、子供は、親の言うことを聞くことができるんです。
褒める時と叱る時のルールを決めておく
近年になって、
「親の言うことを聞かない子供が増えている」
と、よく言われるのは、
家庭内で、
褒めたり叱ったりする時のルールが、
厳格に定まっていないからです。
家庭にきちんとルールがあって、
そのルールに従って叱られたことがある子供は、
「やってはいけないこと」
を、自然と学んでいますから、
他の大人に叱られた時も、
ちゃんと聞くことができるんです。
褒める時も、同様です。
親の側できちんとルールを決めて、
子供が良いことをしたときには、
積極的に褒めるようにしなければなりません。
良いことをして褒められた子どもは、
自分が承認されたことで、
素直な心が育ちます。
「褒めることと叱ること」
この2つは、
育児の現場には絶対に必要なんです。
日本語で子供を褒めて、叱る
これは育児ブログではないので、
バイリンガル教育の話に戻しましょう。
「褒めることと叱ること」
この2つを、
子供のバイリンガル教育に当てはめるとどうなるか。
それは、
子供を日本語で褒めて、日本語で叱る
ということです。
「すごいね!」「いいね!」「賢いね!」「よくできたね!」
子供が良いことをしたり、
何かを達成できたときには、
「すごいね!」「よくできたね!」
と、ポジティブな言葉で、
子供を褒めてあげましょう。
そして、これらの褒め言葉は、
必ず日本語で言うようにしてください。
「子供は日本語で言われても、意味がわからないんじゃないの?」
と、心配する必要はありません。
子供は、
たとえ言葉の意味が分からなくても、
「自分は今、親に褒められている」
ということは感覚で分かります。
1回言えば、
子供にはニュアンスが伝わりますし、
褒める回数が増えれば、
子供は自然とこれらの褒め言葉を理解します。
もしも、
褒める回数が増えない、
褒めるべきことがない、
というのであれば、
それは、語学教育以前に、
別のところに問題があります。
ほとんどの子供は、
褒められると「嬉しい」と感じます。
親がきちんと褒めていれば、
子供は1日1回以上、
親に褒められることをするようになります。
その度に、
「すごいね!」「いいね!」
「賢いね!」「よくできたね!」
という言葉を言っていれば、
子供はこれらの言葉を覚えます。
何よりも、
あなたと子供の間に信頼関係が芽生えますから、
子供は積極的に、
褒めてあげるようにしてくださいね!
「ダメ!」「こら!」「良くないよ!」「ごめんなさいは?」
叱る時の言葉も、同様です。
日本語で子供を叱るようにしてください。
子供にとっては、
日本人の親には日本語で叱られた方が怖いです。
タイではたまに、
子供をタイ語で叱っている日本人を見かけますが、
これは基本的には、
あまりやらないほうがいいです。
タイ語がネイティブ並みにペラペラならばともかく、
片言のタイ語で叱られても、
全く威厳がありません。
それに、
くどくどと言葉数を多くして叱ってしまうと、
子供がうんざりして聞かなくなってしまい、
逆効果です。
(これをしてしまっているタイ人のお母さんはとても多いです)
子供を叱るときは、一言で叱るほうが効果的です。
一言びしっと叱って、
「二度としてはいけない」
「次やったらまた叱るよ」
ということが子供に伝われば、
それで充分です。
「ごめんなさい」は必ず言わせるようにする
「こんにちは」などの挨拶言葉より、
何よりも絶対に、
子供に教えておかなければならない日本語があります。
それは、
「ごめんなさい」です。
タイ語で「コートート」ではなく、
この言葉だけは、
絶対に日本語で言わせなければいけません。
タイ語と日本語では「ごめんなさい」のニュアンスが違う
数ある日本語のフレーズのうち、
「ごめんなさい」だけは、
必ず日本語で言わせるようにしましょう。
これについては、
【我が子に必ず「ごめんなさい」を覚えさせなければならない理由】の記事でも紹介していますが、
日本語の「ごめんなさい」と、
タイ語の「コートート」では、
ニュアンスが全く違います。
最も重要な違いは、
タイ語の「コートート」には、
「もうしません」という、
反省の意思が込められていないんです。
タイ語の「コートート」には、
謝罪の意味はあっても、
反省の意味があまりないということです。
ですので、
子供を日本人として育てたい、
少なくとも、
日本語の話者として育てたいのであれば、
反省の習慣は絶対に必要です。
ですので、子供には、
「ごめんなさい」という言葉はきちんと教え、
叱られたときには、
必ず「ごめんなさい」を
言わせるようにしなければなりません。
反対に、これさえできていれば、
あなたの子供がほかの大人といっしょにいるときでも、
「ごめんなさい」が自然と言えるようになりますから、
日本人とのコミュニケーションがより円滑になります。
まとめ
いかがでしたか。
今回はバイリンガル教育の第5回として、
「褒める時と叱るときは日本語で言う」
という方法をご紹介しました。
褒め言葉は、
「すごいね!」「いいね!」「賢いね!」「よくできたね!」
など。
叱る時の言葉は、
「ダメ!」「こら!」「良くないよ!」「ごめんなさいは?」
などです。
そして、
- 子供が良いことをしたときには褒める
- 子供が悪いことをしたときには叱る
これらのルールを親の側できちんと決めておけば、
子どもとの信頼関係を築くことができます。
また、
この2つがきちんとできている家庭の子供は、
社会に出ても適応することができます。
ですので、今回のテーマは、
何もバイリンガル教育に限った話ではありません。
子供を育てる、
子供に何かを教える、
というときに必ず必要になるのが、
今回ご紹介した、
「褒めることと叱ること」
この2点なんです。
今日からでもすぐできますから、
ぜひ、あなたの家庭でも実践してみてくださいね!
「褒めることと叱ること」は、育児に必要不可欠