タイ語1日1単語(พี่น้อง/ピーノーン) 意味:きょうだい・兄姉弟妹

サムネイルきょうだい

どうもこんにちは、でんいちです。

今回は、「異文化を理解する際に最も必要なのは○○である」

というテーマについて、お話をしていきます。

動画はこちら
 ↓

タイ語で「兄弟姉妹」を何と言うか

異文化理解というテーマで、最も典型例だと思われるのは、

タイ語の「兄弟姉妹」を表す言い方です。

タイ語では、「兄弟姉妹」の言い方が少し独特なので、これらの言葉をご紹介しつつ、

その根底にある、タイ語独特の考え方について、見ていきたいと思います。

「ピーノーン」

実は、タイ語には、「兄」「姉」「弟」「妹」を一語で言い表す単語がありません。

タイ語では、年上の兄弟を「ピー」と呼び、

年下の兄弟を「ノーン」と呼びます。

なので、タイ語の単語を覚える際は、「兄弟姉妹」は何と言うか、と考えるのではなく…

まずは「ピー」と「ノーン」という2つの言葉を理解することから、スタートしなくてはなりません。

年上か、年下か

タイ語には、「兄」「姉」を一語で表す単語はありません。

タイ語で、きょうだいについて話す時は、「年上か、年下か」という点が重要であって、

兄や姉など、男女の性別は、あくまでもサブの情報というか、補足で付け加える、という感じになっています。

年上のきょうだいを表すピーという言葉があり、年下のきょうだいを表すノォーンという言葉があります。

ピーとノォーンという言葉には、きょうだいの性別は含まれていません。

あくまでも、年上か、年下かを表す言葉です。

まずは、この点をきちんと押さえておかなくてはなりません。

タイ語の「兄姉弟妹」

以上を踏まえた上で、では、「兄」や「姉」は、タイ語でどのように言うのかというと、

「兄」は、年上を表す「ピー」の後ろに「男性」を意味する「チャーイ」を置いて、
「ピー・チャーイ」と言います。

そして、「姉」という時は、同じく、「ピー」の後ろに「女性」を意味する「サーオ」を置いて、
「ピー・サーオ」と言います。

「ピーチャーイ」で、「兄」
「ピーサーオ」で、「姉」

という意味です。

弟妹も、同様です。

「弟」は、年下を表す「ノォーン」の後ろに「チャーイ(男)」を置いて、
「ノォーン・チャーイ」と言います。

そして、「妹」という時は、同じく、「ノォーン」の後ろに「サーオ(女)」を置いて、
「ノォーン・サーオ」と言います。

「ノォーン・チャーイ」で、「弟」
「ノォーン・サーオ」で、「妹」

という意味です。

…以上が、タイ語の兄姉弟妹を表す言葉ですが、

先ほどぼくが、

「メインの情報はあくまでも年上か年下かであって、性別はあくまでも、サブの情報である」

と言った意味が、お分かりいただけたでしょうか。

「ピー」だけで文は完結する

つまり、
タイ語では、極端な話、、

「ピー」と言えば、それだけで文が完結する、ということです。

もしも、「そのピーは、兄ですか?姉ですか?」と聞いてくる人がいれば、「兄です」と性別を伝えればいいですが、

基本は、「ピー」だけでも全く問題はありません。

「ピー」という言葉の後ろに、補足説明として…

男のきょうだい(ピーチャーイ)、
または女のきょうだい(ピーサーオ)

という修飾語が後ろに付いている、ということです。

これは、日本語にはない考え方なので、

「タイ語で姉や妹は何と言うのですか」という疑問を持つ前に、まずは、

「タイ語には姉や妹を指す語はあるけれども、その前に、タイ語の考え方としては、ピーやノォーンだけでも文は完結する」

という点を、理解しておく必要があります。

ユゥ・ガッ・ノォーン(きょうだいと一緒に住んでいます)

たとえば、タイの人との日常会話では、

「ユゥ・ガップ・ノォーン
(きょうだいと一緒に住んでいます)」

というようなフレーズがよく出てきます。

「ユゥ・ガッ・ノォーン」は、「きょうだいと一緒に住んでいます」という意味です。

先ほどからお話ししている通り、この文には、弟か、妹か、という情報は入っていませんが、

これでも全く問題なく、会話は成立しています。

もしも、ここで聞き手であるあなたが、この人には妹がいる、ということを知っていれば、

「ノォーン」は妹を指していることが分かります。

また、話し手であるタイ人も、特に「ノォーン・サーオ」とまでわざわざ言う必要がなく、

「ノォーン」だけで十分通じると判断しているので、

「ユゥ・ガップ・ノォーン
(きょうだいと一緒に住んでいます)」

で文が完結している、というわけです。

なので、タイ語の単語を覚える時は、

「兄姉弟妹」という4つもの単語を覚える必要はありません。

もちろん、覚えられるに越したことはないですが、

そもそもタイ語では兄弟の性別を特に言わなくても文が成立します。

なので、4つの単語を暗記するよりも、

まずは、「ピー」と「ノォーン」この2つの単語を完璧にマスターすることのほうが、よっぽど重要である、というわけです。

英語のbrotherとsister

さて、ここまでの話を聞いて…

鋭い人は、中学の英語の授業で習ったBrotherとsisterという単語を思い出した人も多いのではないでしょうか。

そのときも、「英語のbrotherとsisterは、性別が重要であって、年齢の上下は重要ではありません」

…というような話を聞いたと思います。

そして、こうした内容は、本来であれば、中学生がせっかく異文化の考え方を理解できるチャンスなのですが、

学校の先生によっては、わざわざ「兄・弟」という言葉を、中学生に教えようとします。

older brotherや
younger brotherなどです。

しかし、これらの言い回しはあくまでも、


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「どちらが年上なんですか?」と聞かれた場合の補足説明に過ぎず…

英語では、年上か年下かは必須の情報ではありません。

…にも関わらず、

中学の英語の定期テストで、いまだに「older brother」や「youngerbrother」などの言葉を、テスト問題に書かせているところもあります。

これらの言い方が、英語圏では大して重要でないにも関わらず、です。

僕がここで言いたいのは、older brotherという語を、中学の英語の授業で教えるな、ということではなく…

外国語を学ぶ際は、日本語の単語を直訳をする、という発想からは離れなければならない、ということです。

「兄」は英語で何と言うのだろうか、と考えるのではなく、

「英語のbrotherは、兄も弟も両方表すので、年齢の上下を特に言う必要はない」

という点を、まずは理解しておかなくてはなりません。

タイ語では年齢の上下が重要

そして、今回のテーマである、タイ語のピー・ノォーンという単語も同様です。

ピーは年上のきょうだい、
ノォーンは年下のきょうだいを表します。

先ほどの英語のケースとは逆で、タイ語は、年齢の上下が重要であって、性別は重要ではありません。

そこを理解したうえで、兄か姉かを伝えたい場合には、ピーチャーイとピーサーオという言い方もありますが、

これらはあくまでも、補足説明である、ということを、タイ語の学習者は、理解しておかなくてはなりません。

パイ・ガッ・ピー(きょうだいと一緒に行きます)

例えば、タイの人から、「パイ・ガッ・ピー(きょうだいと一緒に行きます)」と言われたとします。

そこで、あなたが「そのきょうだいは、お姉さんですよね?」などと聞き返すことは、あまり意味がありません。

なぜなら、

友人同士の会話で、お互いの家族構成はある程度知っているという前提があるなら、わざわざ兄か姉かを毎回言う必要はありませんし・・・

また、相手も、兄か姉かを言う必要がないと判断したからこそ、「パイ・ガッ・ピー(きょうだいと一緒に行きます)」という言い方をしているわけです。

「ピー・ノーン」は他人にも使う

また、タイ語のピー・ノォーンという言葉は、実際の血縁上のきょうだいではない、赤の他人に対しても使います。

日常会話では、むしろこちらの方が重要です。

タイ語では、相手が赤の他人であっても、目上の人に対してピーと呼び、目下の人に対してノォーンと呼びます。

たとえば、

レストランなどで、店員さんを呼びたいとき、店員さんが自分よりも年上だと感じたら「ピー・カァ」と呼び、

年下だと感じたら、「ノォーン・カァ」と呼びます。

ピー・カァ↗
(年上の店員さんに声をかける時)

ノォーン・カァ↗
(年上の店員さんに声をかける時)

もちろん、店員さんはあなたの家族ではありませんが、タイ語では、赤の他人に対しても、

このように、自分との年齢の上下に応じて、「ピー・ノォーン」で呼び合う、ということです。

敬称としてのピー・ノーン

また、「ピー・ノォーン」を名前の前につけて、敬称のような感じで使うこともあります。

例えば、タイ人によくいる名前の「ガイさん」という人を呼ぶ時、

年上なら、ピー・ガイ

年下なら、ノォーン・ガイ

と言って呼びます。

ピー・ガイもノォーン・ガイも、意味はどちらもガイさんで、ただ、自分よりも年上か年下か、という違いです。

つまり、タイ語の「ピー・ノォーン」には、大きく、3つの働きがあります。

1、きょうだいの年上、年下
2、他人の年上、年下
3、名前の前に付ける敬称

…以上が、タイ語の「ピー・ノォーン」という言葉の大まかな使い方です。

このように考えていくと、、

タイ語の「ピー・ノォーン」という言葉は、日本語の「きょうだい」とは、かなり使い方に違いがあります。

また、日本語の「兄」や「姉」のような性別を言う言葉は、タイ語においてはそれほど重要ではない、

ということがお分かりいただけると思います。

タイ語で重要なのは、相手が自分よりも年上か、年下か、という点なのです。

異文化を理解する際に最も必要なのは○○である

それでは、冒頭のクエスチョン、
「異文化を理解する際に最も必要なのは○○である」。

この○○の部分には、「自分の国の物の見方からいったん離れること」ような言葉が入ります。

外国の文化を理解する際は、自分の国の文化という色眼鏡をまずは外さなくてはなりません。

自分の国の言葉に「兄姉弟妹」があるからといって、

必ずしもそれに対応する単語が、外国にも同じようにあると考えてはいけない、ということです。

外国には外国の物の見方考え方がありますので、そこをきちんと認識していくことが、異文化を理解するコツです。

では、タイ語の発音練習をしてみましょう。

พี่ phîi
ピー
(年上のきょうだい)

น้อง nɔ́ɔŋ
ノォーン
(年下のきょうだい)

พี่ ชาย phîi chaai
ピー・チャーイ
(兄)

พี่ สาว phîi sǎao
ピー・サーオ
(姉)

น้อง ชาย nɔ́ɔŋ chaai
ノォーン・チャーイ
(弟)

น้อง สาว nɔ́ɔŋ sǎao
ノォーン・サーオ
(妹)

พี่ คะ phîi khá
ピー・カァ↗
(年上の店員さんに声をかける時)

น้อง คะ nɔ́ɔŋ khá
ノォーン・カァ↗
(年上の店員さんに声をかける時)

พี่ ไก่ phîi kài
ピー・ガイ
(ガイさん・年上)

น้อง ไก่ nɔ́ɔŋ kài
(ガイさん・年下)

อยู่ กับ น้อง yùu kàp nɔ́ɔŋ
ユゥ・ガッ・ノォーン
(年下のきょうだいと一緒に住んでいます)

ไป กับ พี่ pai kàp phîi
パイ・ガッ・ピー
(年上のきょうだいと一緒に行きます)

今回は、タイ語の年上、年下「ピー・ノォーン」のお話でした。

タイ語では、
年上をピーと呼び、
年下をノォーンと呼ぶ

…と、覚えておきましょう。

では、本日の動画は以上になります。

どうも、ご視聴ありがとうございました!


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