タイ語で(できません)は何と言う?~(ダイ)と(ペン)の最大の違いは?

サムネイルできる

「できない/書けない/食べれない」
これらをタイ語で何と言うかご存知でしょうか。

今回は、タイ語の「可能」の表現、

「できる・できない」
を表すフレーズを見ていきたいと思います。

解説動画はこちら
 ↓

タイ語の「できる・できない」

動詞または動詞目的語の後ろに「ダイ」を置くと、○○できる、という可能の意味を表します。

たとえば、タイ語で「する」は「タム」と言いますので、

「することができる」は、「タム」の後ろに可能の「ダイ」を置いて、「タムダイ」と言います。

そして、否定の場合は、可能のダイの前に否定の「マイ」をつけて、「マイダイ」にします。

なので、

「することができない」と言いたいときは、

「タム」の後ろに「マイダイ」を置いて、「タム・マイダイ」と言います。

同じように、「パイ(行く)」という動詞であれば、

「パイ・ダイ」で
行くことができる

「パイ・マイダイ」で
行くことができない

という意味になります。

はい、まずは、ここまでが基本の形です。

じつは、タイ語で「できる/できない」を表す表現は複数あります。

最も代表的な2つの「できる」は、「ダイ」ともう1つ、「ペン」という言葉です。

「ペン」にも「できる」という意味があり、

使い方は「ダイ」と同じで、動詞句の後ろに置きます。

タム・ペン で「できる」
タム・マイペン で「できない」

「タムダイ」と「タムペン」は、日本語訳はどちらも「できる」ですが、

表すニュアンスが違います。

では、この「可能」を表すダイとペンが一体どう違うのか、ということについてお話しします。

結論を先に言うと…

「ダイ」は「状況的」なできる
「ペン」は「能力的」なできる

という違いがあります。

なので、否定文の場合は、

「マイダイ」で「状況的」なできない
「マイペン」で「能力的」なできない

を表します。

タイ語のダイとペンは、同じ「できる」でも、

「状況的」と「能力的」という違いがあります。

はい、「状況的」と「能力的」と言われても今いちピンと来ないと思いますので、

具体例を出してお話しします。

例えば、「書く」という動詞はキアンと言います。

そして、タイ語の「できない」には、「マイダイ」と「マイペン」の2種類がありますので、

「書くことができない」と言いたい時は、

キアン・マイダイ
キアン・マイペン

この2通りの言い方があります。

では順に見ていきましょう。

まず、「ダイ」は状況的な可能を表しますので、

「キアン・マイダイ」は、状況的に「書くことができない」という意味です。

つまり、

筆記用具を家に忘れてきたとか、
ノートが雨で濡れているとか、
あるいは、利き腕を骨折しているとか、

そういう、「何らかの書けない理由がある」というニュアンスを表しています。

こうした状況の時、タイ語では、「キアン・マイダイ」と言います。

つまり、状況的に書けない、ということです。

では、もう1つの可能表現である「ペン」はどうでしょうか。

「ペン」は能力的なできるを表しますので、

「マイペン」で、それをする知識や能力がない、それをする技術が伴っていない、

というような意味になります。

つまり、「キアン・マイペン」と言った場合は、

タイ文字をまだ全部覚えていないから書けない、とか、
その単語のつづりを覚えていないから書けない、など、

書くための能力や技術がない、というニュアンスを表します。

このように、能力や技術が理由で「できない」という時に、「キアン・マイペン」と言います。

…以上が、可能のダイとペンの大まかな違いです。

では、もう1つ例を出します。

「話す」はタイ語で「プゥート」と言いますので、

「話せない」というときは、

「プゥート・マイダイ」と
「プゥート・マイペン」

の2種類があります。

ダイは状況的な可能なので、

「プゥート・マイダイ」は、

まだその内容が秘密だから話せない、とか、
虫歯を抜いたばかりだから話せない、とか、
明日の天気のことは分からないから話せない、など、

こういった状況的な「話せない」を表します。

いっぽう、

ペンは能力的な可能なので、

「プゥート・マイペン」は、

タイ語の単語を覚えていないから話せない、とか、
タイ語の発音が難しすぎて話せない、とか、
まだタイ語の作文能力が足りないから話せない、など、

こういった知識や能力が理由の「話せない」を表します。

これが、プゥート・マイダイとプゥート・マイペンの大まかな違いです。

はい、おそらく皆さんの中には、ここまでの話を聞いて、

今まで、
「キアン・マイダイ(書けない)」や、
「プゥート・マイダイ(話せない)」など、

これらのフレーズの使い方を間違っていた、と気が付いた人も多いのではないでしょうか。


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これらは、状況的な「できない」を表しています。

もしも、皆さんがタイ語の勉強をまだ始めたばかりで、

タイ語の知識や能力がまだ十分でないからできない、という場合は、

「ダイ」ではなく、「ペン」を使って、

「キアン・マイペン(書けない)」
「プゥート・マイペン(話せない)」

と、言わなくてはなりません。

じつは、このポイントを間違えている日本人は、タイにはすごく多いです。

なぜなら、タイ語を覚えたての日本人は、

能力的な可能を表す「ペン」という言葉を知らずに、

状況的な可能の「ダイ」だけ使っている、というケースが多いからです。

タイ在住の日本人で、カタコトのタイ語を話す人は、

簡単なタイ語の会話集などを読んでフレーズを覚えていることが多いのですが、

こうした簡単な会話集では、可能のフレーズを「ダイ」しか紹介せずに、

「ペン」の文例が載っていないことがあります。

または、載っていても、ダイとペンの違いについて、十分な解説がされていないことが少なくありません。

しかし、今回お話ししているように、タイ語のダイとペンには大きな違いがあり、

もはや、全く別の単語であると言っても過言ではありません。

なので、状況的な可能のダイと、能力的な可能のペン、

この2つの違いをよく理解しておかなくてはなりません。

特に、今これを見ている皆さんは、現在タイ語を勉強中の人だと思いますので、

「まだタイ語の能力が十分でないから、書けない、話せない」

という、能力的なケースの方が多いと思います。

なので、その場合は、能力の可能を表す「ペン」を使って、

「キアン・マイペン(書けない)」
「プゥート・マイペン(話せない)」

と、言わなくてはならない、ということです。

ちなみに、今回の内容は、「総論」の部分です。

総論とはつまり、一般的にはそういう区別があるよね、という話です。

なので、タイ人との実際の会話の中で、

「でも、こういう時は能力だけどダイを使いますよね」

みたいな例外的な各論の話はもちろんあります。

しかし、1つ1つの各論を取り上げていくとキリがないので、

とりあえずは、一番基本となる、総論の部分を覚えておきましょう。

今回は、

状況的にできないが、
マイダイ

能力的にできないが、
マイペン

という大まかな区別を覚えておいていただければと思います。

ちなみに、「キン(食べる)」という言葉も、

一見、能力とは関係なさそうですが、マイダイとマイペンの厳格な違いが存在します。

キンマイダイは、「状況的に食べれない」なので、

腐っているから食べれないとか、プラスチック製のおもちゃだから食べれないとか、

そういうニュアンスで使います。

一方、キンマイペンは食べる技術や能力がない、ということなので、

例えば、

タイ料理に慣れていない日本人が、「辛い料理は食べれません」と言いたいときは、

キンマイペンと言います。

なので、日本人がタイに来ると、

「辛いタイ料理を食べれますか?」と、タイ人から聞かれることが多いのですが、

これに答える時は、「キンマイダイ」ではなく、「キンマイペン」と言わなくてはなりません。

こういうシチュエーションの時も、在タイの日本人で「キンマイダイ」と答えている人を良く見かけるのですが、

「辛い料理を食べる能力がないから食べれない」ということなので、正しい回答は、「キンマイペン」になります。

じつは、今回のテーマはけっこう複雑で、タイ語初級の最難関の1つで、

10分やそこらですべてを解説することはできません。

なので、今日のところは、あまり深く考えなくても大丈夫です。

とりあえず、タイ語を勉強中の皆さんは、

「キアン・マイペン(書けない)」
「プゥート・マイペン(話せない)」

というフレーズの形を、覚えておくようにしましょう。

では、本日の動画は以上になります。

どうもご視聴ありがとうございました!

ダイとペン
~「できる」を表す2つのタイ語

ダイ
…状況的に「できる」

マイダイ
…状況的に「できない」

ペン
…能力的に「できる」

マイペン
…能力的に「できない」

動詞、または動詞句の後ろに置く

パイ・ダイ (行ける)
パイ・マイダイ (行けない)

日本語では、
同じ「できない」であっても、

タイ語の場合は、
状況的にできないのか、

それとも、能力的にできないのかを、
明確に区別しなければならない

【マイダイ…状況的にできない】

タム・マイダイ
(状況的に、できない)

キアン・マイダイ
(状況的に、書けない)

キン・マイダイ
(状況的に、食べれない)

【マイペン…能力的にできない】

タム・マイペン
(能力的に、できない)

キアン・マイペン
(能力的に、書けない)

キン・マイペン
(能力的に、食べれない)

目的語があるときは、
「動詞+目的語」を言ってから、

その後ろに
「マイペン(できない)」を置く

キアン・パサータイ・マイペン
(タイ語を書けない)

キン・ソムタム・マイペン
(ソムタムを食べれない)

語順が少しややこしいので、
フレーズで丸暗記しておきましょう。

では、本日はこのへんで…

ご視聴ありがとうございました!


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