【タイ人と国際結婚】在タイ10年以上なのにタイ語が上達しないたった1つの理由

Grandfathe, Grandmother

タイ人と結婚して、タイで10年暮らしているのに、タイ語が話せない、という人はとても多いです。

なぜ、タイ人配偶者と一緒に暮らしているにも関わらず、
「タイ語が上達しない」という状況が起きてしまうのでしょうか。

今回は、「国際結婚と語学」というテーマで、少し掘り下げてみましょう。

話せる人のほうが少ないかも…

「タイ人と結婚して、タイに住んでいます」

と聞くと、

「毎日奥さんと会話して、さぞかしタイ語がペラペラなんだろうな」

と、考えますよね。

でも、、

はっきり言って、そのケースは「かなり」少ないと言えます。

むしろ、

「タイ人と結婚して10年以上になるが、タイ語はあまり話せない」

という人のほうが、圧倒的に多い、という印象です。

おそらく皆さんの周囲にも、そういう人の方が多いのではないでしょうか。

では、なぜ、10年以上とタイ人配偶者と暮らしていながら、

「タイ語があまり話せない」という状態になってしまうのでしょうか。

結婚生活と語学の上達は、全く別のスキル

タイに限らず、国際結婚をしている人は、

「さぞかし、結婚相手の言語ができるのだろう」

と、思われがちです。

しかし、

現実は、決してそんなことはありません。

もちろん、

タイ人と結婚したから、
タイ語がペラペラ、

アメリカ人と結婚したから、
英語がペラペラ、

という人がいるのは事実ですが、

「全く話せない」というケースも多いです。

特にタイは、その傾向がいちじるしいと言えます。

もしも奥さんと「だけ」話していたら…

では、1つ極端な例で考えてみましょう。

ある日本人男性が、タイ人女性と結婚していたとします。

そして、もしも、この男性が、ふだんの生活で、一切タイ語を使わず、

奥さんと「だけ」カタコトのタイ語で話していたとしたら、、、

どうなると思いますか?

この場合、タイ語はほとんど上達しません。

上達するのはあくまでも、

「奥さんとの意思疎通」だけです。

これは、タイ語の習得とは、
全く別次元の話なんです。

言語が持つ2つの側面

言語には、2つの側面があります。

それは、「国語としての言語」

そして、「コミュニケーションツールとしての言語」

この2つです。

タイの国語としてのタイ語

1つめの、国語としての側面。

「タイ語能力がある」とは、
「タイの国語を使用できる」という状態です。

つまり、タイに住んでいるタイ民族全員と、会話できる能力がある、ということを意味します。

一般に「タイ語がペラペラ」という場合、

「タイの国語を習得している」

という状態を指します。

タイ人配偶者とのコミュニケーションツール

言語のもう1つの側面は、意思疎通の手段です。

友人や家族など、自分と関係のある人に、自分の意思を伝達するためのツールです。

この場合、言語はあくまでも、数あるツールの1つですから、

コミュニケーションの手段は、言語以外でも、何でもよく、、

それこそ、アイコンタクトとか、表情とか、そういうものでコミュニケーションをとっても構わないわけです。

極端な話、、

「ダンナの表情や声の調子から、
ダンナが何を言いたいかは大体分かる」

という奥さんは、別に、言語というツールを使わずとも、

テレパシー(?)というツールで、夫婦間のコミュニケーションは十分成立しています。

こうした能力が発達した夫婦にとっては、

言語は、どうしても必要なものではないんです。

これには、「語学力」は必要ありません。

結婚生活に言語は必須ではない

家では「風呂、飯、寝る」の3語しかしゃべらない、という人も現実にはいますし、

ただ自分の意思を配偶者に伝えるだけなら、

別に言語を使わなくとも、表情やジェスチャーなど、方法は何でもいいわけです。

つまり、

愛するタイ人配偶者と話をするときに、
タイ語がペラペラである必要はない

ということです。

なぜなら、言語を使わない、非言語のコミュニケーションが十分成立しているからです。

その結果、、

タイ人配偶者と10年一緒にいても、
タイ語はあまり上達していない、

ということになります。

2人の関係が、深くなればなるほどそうなります。

夫婦仲が良いのは素晴らしいこと

今回のテーマ、

「タイ人との結婚生活が10年続いていても、
タイ語が上達していない人も多い」

私は、このことが悪いと言っているのではありません。

むしろ、

夫婦が仲睦まじいことは
素晴らしいことです。

これまで私は、

「タイ語はペラペラなのに、タイ人の奥さんとの関係がうまくいかない」

と、悩んでいる日本人男性を数多く見てきました。

それに比べたら、、

言語などを使わなくても、
心から愛し合えている夫婦の方が、
どれほど恵まれているか。

むしろ、

タイ語講師として長年、日本人のタイ語を見てきたからこそ、

「語学力なんかよりも、話者の人間性とか、両者の信頼関係とかのほうが、よっっぽど大事」

と、つくづく感じます。

もちろん、

生徒にタイ語を教える時は、「しっかりタイ語を習得していきましょう!」という話はします。

でも、

この地球上で本当に大切なことは、いかに人を愛して、幸せになっていくか、という、その一点だけなのです。


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ちょっと話が脱線してしまいましたが、

私が言いたいのは、、

A)タイ人配偶者と仲睦まじく結婚生活を送ることと、

B)タイ語が上手であること

AとBとの間には、因果関係が無い、
ということです。

なので、もしもこれを読んでいるあなたが、

  • タイ人の恋人がいる、
  • 恋人ができそうである、
  • または結婚を考えている、

という状態であるなら、、

いったん、「恋人との関係」と「タイ語学習」とは、明確に立て分けて考えましょう。

「タイ人の恋人がいれば、
タイ語が上達するだろう」

という考えは、間違いだと知るべきです。

恋人との関係を深めていくことと、あなたのタイ語力。

この2つには因果関係がないので、

いくらタイ人の配偶者と長年過ごそうとも、
勉強しなければ、タイ語は上達しないのです。

恋人は、理解しようとしてくれる

恋人や配偶者というのは、、

基本的には、あなたの言うことを、
分かろうと努力してくれます。

あなたが、タイ語の初級者であろうが、上級者であろうが、

そんなことには関係なく、
心が通じ合った相手には、
言いたいことは必ず伝わります。

これは、語学の上達とは、
全く関係がありません。

もしも、

「結婚生活が、長ければ長いほどタイ語が上達する」

というのなら、

世の中の夫婦は朝から晩まで、文法的に正しい言葉ばかりをしゃべりまくっている

ということになります。

でも、現実に、そんなことはありえないですよね。

むしろ、結婚生活が長くなればなるほど、

夫婦間の会話というのは、少なくなっていくのが普通です。

あなたのタイ語の上達がストップするとき

では、タイでの結婚生活のなかで、いつ、タイ語の上達が止まってしまうのでしょうか。

それは、あなたの配偶者が、
あなたの性格や行動パターンをすべて把握したときです。

例えば、

あなたが、毎日夜9時にお風呂に入る習慣があるとします。

結婚して間もない頃、あなたは毎日、夜9時になれば

「อาบน้ำアープナーム(入浴)」と、
タイ語で言います。

しかし、この生活が数ヶ月も続けば…

あなたは夜9時、何も言わなくても、

あるいはでたらめに
「▲$※&%!!」と言ったとしても、

あなたの配偶者には、おそらく「お風呂」のことだと伝わります。

これは、語学とは全く別のプロセスです。

むしろ、円満な夫婦関係を目指すのであれば、、

言語はほぼほぼ無関係なので、勉強なんかよりも、配偶者を思いやることの方が、よっぽど重要だったりします。

反対に、

あなたがタイ人配偶者と深く愛し合い、末永く結婚生活が続いていたとしても、

だからと言って、あなたがタイ語がペラペラになるとは限らない、ということなんです。

結局のところ、どうすればタイ語が上達するの?

では、結論になりますが、

語学が上達するために必要なのは、

地道な努力

これしかありません。

たとえ、

あなたのカタコトのタイ語の発音を、
恋人や友人が分かってくれたとしても、、

正しい発音を身につける努力は、別途継続していかなければならないんです。

特に、
タイ人はフレンドリーですから、

恋人に限らず、友達や、その友達、友達の親戚などが、すぐにあなたと楽しく談笑をしてくれます。

もちろん、初めのうちは、あなたのタイ語は、相手にあまり通じないかもしれません。

でも、こうしたタイ人たちとの交友関係が続いていけば、、

仮に、あなたのタイ語が上達しなかったとしても、

あなたの恋人や友人たちは、あなたのタイ語を、理解しようとしてくれます。

結果として、

「タイ人の仲間は多いけれども、タイ語は上達していない」

という状態に陥るわけです。

大事なことは、

「周囲が自分のタイ語を理解してくれる」という段階に甘んじないことです。

タイ人と毎日タイ語を使っていたとしても、

勉強のための地道な努力がなければ、あなたのタイ語は、ある一定のレベルで止まってしまいます。

逆に言うと、

言葉が全くできなくても、結婚生活は十分送ることができる、ということです。

「愛があれば、言葉は要らない」

「言葉はなくても、愛を育むことはできる」

このことは、外国語を学ぶ上で非常に重要なことですので、ぜひ覚えておいてください。

それではまた。

【まとめ】

●タイ人と結婚したからといって、必ずしもタイ語が上達するわけではない。

●恋愛と語学は、無関係。

●反対に、タイ語が話せなくても恋人とうまくいっているケースもある。
(そっちのほうが多いかも…)

●タイ語上達のためには、恋人との会話とは別に、勉強のプロセスが必要。

また、今回の「語学と人間関係」というテーマについては、

こちらの記事も、参考にしてみてください。
 ↓
『あなたのタイ語が突然通じなくなる理由』


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4 件のコメント

  • momokoさん
    たしかに、僕も、手話は言語の1つだと思っているので、
    この言い方は、正しくないですね。
    手話という言葉を削除しました。

  • とても興味深く読ませていただいてます。ありがとうございます。
    僭越ながら一つだけ、この記事で訂正していただきたい点があります。
    記事の中頃に、「別に言語を使わなくったって、ジェスチャーでも手話でも、方法はなんでもいい」と書かれています。
    わたしは聾唖者の娘として手話を使っていて、この文章にとても違和感を感じました。
    手話はジェスチャーではありません。聾唖者が用いる立派な言語です。ここで言われている意図にはそぐわないと思いました。
    それで僭越ながら指摘させていただきました。

    でもタイ語.link の記事はどれも本当に勉強になります。これからもよろしくお願いします。

  • コメントありがとうございます!
    共感をしていただき、非常にうれしく思います。
    また今後とも、よろしくお願いします!

  • 初めまして、管理人さん!バンコクに、10年程住んで、タイ人配偶者が居りますが、昨日に当該サイトを知りました。仕事でもタイ語を使う必要がないので、タイ語レベルが、頭打ち状態で、管理人さんの述べられてることを、拝見し、改めて自身の現状を認識しました。ぼちぼちレベルをブラッシュアップしようと思います!サイト運営頑張ってくださいーー、記事を楽しみにしております!!

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