「タイ語って、どうやってカタカナで書けばいいの?」と、考えたことはありませんか。
例えば、タイ文字を知らない相手にタイ語の単語を教えるとき、表記の仕方はどうしても「カタカナ」になりますよね。
そこで今回は、タイ語の単語をカタカナで表記する際の、ちょっとしたコツについて、ご紹介していきたいと思います。
カタカナでは表記できないって本当?
そもそも、タイ語の単語の発音って、カタカナで表記できるんでしょうか?
世の中には…
「カタカナでは、タイ語を絶対に表記できない。なぜなら、日本語とタイ語では発音が違うからだ!」
…と、「カタクナ」に主張する人もいますよね。
でも私は、この意見は、一面では真実ですが、もう一面では、真実ではないと思っています。
カタカナが必要な場面も多い
「カタカナでタイ語を表記するのは不可能」と主張する人は…
「タイ語を勉強したいなら、タイ文字、さもなくば、アルファベットの表記法をちゃんと覚えなさい!」
…という考えが、根底にあります。
これは、確かにそのとおりなんですが…
でも、世の中の「タイ語に関心のある人」すべてが、「タイ文字を勉強したい」わけではないですよね。
私は、こういうブログを運営している立場上、
「タイ語には関心あるんですが、タイ文字を勉強しようとは思いません」
…という読者の方と、日ごろから数多く接しています。
そういう人に、タイ語の単語伝えるときは、やはり手段はどうしても「カタカナ」ってことになるんです。
母数が違う
「タイ語をちゃんと勉強したい人」の数よりも、
「タイ語に何らかの関心のある人」の数のほうが、はるかに母数が大きいんです。
こうなるとやはり、「カタカナだけ」でタイ語を書くことが必要になる場面は、今後ますます増えていくことが予想されますし、
「カタカナでタイ語を表記する方法」というのは、邪道などではなく、十分、重要な意味を持っていると思います。
LINEでタイ文字を使うのは面倒
例えば、あなたの日本人の友人が、「タイ語で『水』は何というんですか?」と、メールやLINEで質問してきたとき…
まさか、「タイ語で水は[naam]だよ」とか、「タイ語で水はน้ำだよ」とは、返事しませんよね。
やっぱり、「タイ語で水は『ナーム』だよ」と、返事するはずです。
こんな時に、「カタカナでタイ語表記するのは不可能だ!」なんて言っていたら、キリがありません。
それに、たとえタイ文字のフォントを入れていたとしても…
日本語とタイ文字を、いちいち切り替えてメッセージを書くのは、
さすがに面倒です。
やっぱり、どこかで線を引いて、
「タイ語の発音をカタカナで書くと、大体こういう感じ」
…というルールのようなものを、知っておいたほうがいいんです。
70点主義
タイ語をカタカナで表記する時に重要な考え方としては…
『70点主義』
これに尽きます。
つまり、カタカナを使って、タイ語の発音を、100パーセント完璧に表記できるわけではないけれども…
「まぁ大体近い。70点ぐらい。」
…という表記ができれば、それで充分、ということです。
タイ語でカタカナを書くときの5つのコツ
では次に、タイ語でカタカナを書く時のコツについて、ざっくりとご紹介していきたいと思います。
1.二重子音のLRは飛ばす
例えば、タイ語で『魚』のことを、
「プラーplaa」
と言いますが、実際のタイ人の発音としては、
「パーpaa」と言ったほうが、近いです。
ですので、魚醤の「ナンプラー」も、
タイ人の発音的には、
「ナムパー」
です。
また、『近い』はタイ語で
「グライグライglaiglai」
といいますが、これも、[L]の音をすっ飛ばして、
「ガイガイ」
といったほうが、タイ人には通じやすいです。
逆に、日本人が、日本語の発音そのままで「グライグライ」と言っても、タイ人には通じない可能性が高いんです。
これについては、
【タイ語の二重子音のLRは無視してもいい理由】
↑こちらの記事も、ぜひ参考になさってみてください。
クルンテープは?
では、表題の件、「クルンテープ」を見てみましょう。
「クルンテープ」というのは、首都「バンコク」のタイ語名です。
タイ人は、めったに「バンコク」という言い方をしません。もっぱらタイ語で「クルンテープ」と呼びます。
タイの首都を「バンコク」と呼ぶのは、外国人だけなんです。
さて、その発音ですが、
「クルンテープkrungthep」の、頭の[kr]は、ほとんど[k]と同じように発音されますから、
現地の発音としては、二重子音の[r]が抜けて…
「グゥンテープ」のように聞こえます。
ですのであなたも、
「グゥンテープ」と読んだほうが、タイ人には通じやすい…ってことなんです。
2.母音を書き分ける
タイ語は、日本語よりも母音の数が多いですので、カタカナで書く場合は、それらを区別する必要があります。
詳しくは、
【タイ語の9つの母音をマスターする方法】
↑こちらの記事も、参考になさってみてください。
例えば、読者の方からよく質問されるものとしては…
…という質問です。
これは、元を正せば、そもそも同じ「オー」だと、勘違いをしていることが原因です。
そのため、「えっ、同じ『オー』なのにどこが違うの?」と、戸惑ってしまうんです。
あなたがこうした勘違いを予防するためには…
やはり、両者が「別の音」だということを、見てわかるようにしておかなければなりません。
そのため、このサイトでは、
口の大きい「ออ」は、「オォー」、
というふうに、区別して表記しています。
こうしておけば、「全く別の音」というだということが、記憶に残りやすくなりますから、
新しい単語を見たときでも、「口が大きいか、それとも小さいか」ということを、口が勝手に覚えていてくれるんです。
「เอエー」と「แอエェー」
「โอオー」と「ออオォー」
また、このように書き分けておけば、仮に「どういう音か」を忘れてしまったとしても、「違う発音らしい」ということだけは分かりますよね。
「音が違うものは、カタカナも、違う書き方にする」
これって、外国語を勉強するときには、すごく重要な考え方なんです。
つづく
さて、そろそろ字数の方がいっぱいになってきましたので…
続きはまた次回、【後編】でご紹介していきたいと思います。
⇒【後編】へ進む
それではまた。