2018年末現在、「タイ スキンシップ」で検索すると、
という記事が、上位表示されています。
タイ人のスキンシップ
「タイ人 スキンシップ」の検索で表示された他のサイトを見ていると…
「頭を触ってはいけない」という、宗教上のタブーについて書いたものが多く、
タイの一般庶民のスキンシップの内容について書かれたものは、ほとんどありませんでした。
つまり、「タイ人とのスキンシップ」について、
きちんと実例を踏まえて記事を書いているのは、うちのサイトだけだった、ということです。
全体的に記事が少ない
「タイ人 スキンシップ」で検索するユーザーは、当然、「タイの一般庶民はどのようなスキンシップをするのか」という疑問を持って検索するはずなのですが、
他のサイトではそれについて詳しく書いた記事がほとんどないので、結果的に、うちの記事だけが上位表示されるようになった、という経緯があります。
セクハラとの境界線
さて、前置きが長くなりましたが、「タイ人のスキンシップ」の形態として、最も代表的なものが、
前回ご紹介した「二の腕を握る」というタイ独特のスキンシップです。
そして、タイ人は、スキンシップやボディタッチそのものを、非常に好む傾向にあります。
今回は、タイにおける、『スキンシップとセクハラとの境界線』について、見ていきましょう。
認定は甘い
まず、結論を始めに言うと・・・
タイは、日本よりもセクハラ認定は甘いです。
前回の「二の腕をもむ」というスキンシップは日常的に行なわれますし、
おっさんが若い子の腰に手を回す、なんていうのも、ザラです。
でも、そういう状況にあって、「タイ人上司がセクハラで訴えられた」という話は、ほとんど聞いたことがありません。
日本のように、「何でもかんでもセクハラで訴える」というのとは、随分違います。
タイは厳格な身分社会
では、なぜタイでは、セクハラの認定が甘いのでしょうか。
これには、2つ理由が考えられます。
1つは、タイではスキンシップが一般的であること。
普段から、仲良し同士で肌を触れ合っているので、
上司が腕を揉んでくることにも抵抗が少ないのだと思います。
そして、もう1つは、タイが「身分制社会だから」というもの大きいです。
要は、
「身分が下の人が、身分が上の人から何かされても、いちいち騒いではいけない」
というタイの美徳がある、ということです。
もちろん現代は、目に見える「身分制度」はなくなっているもの、
タイ古来のそういう習慣は、タイ人のDNAに深く刻み込まれています。
支店長は上で、行員は下
こうなると、たとえば、
銀行の支店長に肩や腕を揉まれたからと言って、銀行員はいちいち騒ぎません。
これは別に、力で押さえつけているのではありません。
タイでは、スキンシップそのものが普通だからです。
よっぽど極悪な支店長なら話は別ですが、
一般の常識的な支店長の場合は、揉まれる方も揉む方も、きちんとラインをわきまえているので、誰も騒がないのです。
タイではスルー
そして、セクハラに認定されるラインも、日本よりも確実に甘いので、
「日本だったら絶対訴えられる」
というような内容のスキンシップでも、タイではスルーされます。
つまり、互いの了承の範囲内、ということです。
司会者が触る
また、タイのテレビ番組を見ていると、
番組のおっさん司会者が、ゲストの女の子の体を触ったりすることもしばしばです。
日本なら、確実に視聴者から苦情の電話が来ますよね。
でも、タイでは違和感はありません。
これもつまり、「司会者は偉いし、そういうもの」という暗黙の了解があるからです。
事の是非はさておき、「上下関係がしっかりしている」という点を見れば、
これはこれで、社会全体のバランスはうまくとれていると言えるでしょう。
総論賛成・各論反対
こういうテーマを考える際は、タイという国全体で見なくてはなりません。
なので、
「セクハラ是か非か、人権がどうのこうの」という問題は、この際どうでもよい、ということです。
重要なのは、タイという国全体で、うまく回っているかどうか。
現状は、特に問題は起こっていないようなので、タイのスキンシップ文化は、うまく機能していると言えます。
問題が起きれば、その時は自浄作用が働いて、タイ国内で動きがあるはずなので、
私たち外国人がとやかく言う問題ではありません。
まとめ
今回の内容をまとめると……
日本人の眼には「セクハラ」に映るようなスキンシップもある
タイは身分社会なので、上の者が下の者を触ったからと言って、誰も騒がない
お互いがスキンシップの範囲内だと思っているので、誰も騒がない
…と、こんな感じになります。
要は、相手との「心理的な親密度や上下関係」による、ということです。
なので、私たち外国人は、突然マネをしようとしてはいけません。
まずは、スキンシップをしたい相手と仲良くなって、心理的な距離を縮めることからスタートしてみましょう。