タイ人にシャッターを押してもらって、
「全然うまく撮れてないなぁ…」と、感じたことはありませんか。
また、SNSなどを見ても…
「一体、何の写真なの?」
と、言いたくなるようなものが、タイ人のSNSには、非常に多いですよね。
写真が苦手なタイ人が多い理由
一体なぜ、タイには「写真が苦手な人」が多いのでしょうか。
それには、「たった1つ」の理由があります。
(なお、今回の記事は、あくまでも「一般論」の話ですので、「もちろん写真が上手なタイ人もいる」ということを、お断りしておきます。)
基本はプリクラ
タイ人は基本的に、「自分の顔の写真」というものが大好きです。
なにせ、日本のゲームセンターで使われなくなったプリクラマシンが、大量にタイへ輸入され…
タイのショッピングセンターなどでは、
日本の旧式のプリクラマシンが、今なお現役で、大活躍しているほどです。
「自分の顔写真」が大好きなタイ人にとって、プリクラというものは…
まさに、「最高のアミューズメントツール」というわけです。
「顔を写すこと」が最重要
現に、タイ人の部屋やデスクなどを見ると…
「自分の写真を飾っているタイ人」って、すごく多くないですか?
そのため、タイ人の多くは、写真を撮るとき、「顔が写っているかどうか」というのを非常に重視するんです。
でも、これによる『弊害』も、
もちろんあります。
例えば、あなたが、
タイでお寺を観光していて…
通りすがりのタイ人に、「シャッターを押してください」と頼むとします。
この時、日本人の感覚だと…
「お寺をバックに入れたほうがいいのかな?」ということを、多少は考えますよね。
でも、多くのタイ人にとっては、
「写真=顔写真」ですから…
「バックのお寺はどんな感じか」
ということにまで、頭が回りません。
そのため、タイ人にシャッターを押してもらうと…
「えっ、これ、どこの写真?」
「人物ばっかりで、背景が全然、分からないじゃん」
というようなことが、
往々にしてあるんです。
対処法は?
「バックが全然写っていない」
という残念な事態を避けるためには…
「たった1つ」有効な対処方法があります。
それは…
「あなたが写真に入らない状態で、ズームや撮影位置などを、事前に決めておく」ことです。
つまり、こういうことです。
あなたがお寺の本堂の前で、記念撮影をするとします。
この場合は、あなたがすぐに被写体になろうとするのではなく、まずは…
だれも写っていない状態で、「どこから、どのように撮るか」を、
あなたが先に決める…ということです。
そして、「このポイントでシャッターを押そう!」ということを決めてから、
おもむろに、通行人のタイ人に声をかけ…
「ここに立って、写真を撮ってくださいっ!」
と、言えばいいんです。
↓音声はこちらから
ช่วย_ถ่ายรูป_ให้_หน่อย_ค่ะ
チュヮイ ターイ るゥープ ハイ ノォーイ カァ
こうすれば、文字通り、
「シャッターを押すだけ」ですから、
「うまく撮れてないじゃん!」
と、後から嘆く必要がありません。
タイで観光をする際は、ぜひ、試してみましょう。
写真に『臨場感』がない
また、「写真=顔写真」と考えているタイ人にとって…
「臨場感のある写真」というのも、非常に苦手です。
「写真の臨場感」とは、一言で言うと、
「被写体が何をしてるのかが分かる写真」
ってことです。
これに関し、私がタイで実際に経験したケースを、お話しします。
牧場の写真なのに…
私が、タイのとある牧場へ、取材に行った時のことです。
その時私は、牧場のオーナーの若者に、
「ちょっと、これまでに撮った写真を見せてくれない?」と頼みました。
こちらとしては、
「牧場の写真」なのですから、
当然、牧場の動物や、動物を世話している人たちの写真を見たいわけです。
でも、その時に、オーナーが見せてくれた写真は、なんと…
8割以上が、役人たちとの「記念撮影」の写真でした。
残りの2割で、申し訳程度に、牧場の建物や、動物の写真などが、
「ちらほらある」といった状態で…
「人と動物の微笑ましい写真」
に至っては、皆無でした。
これは、私が勝手に言っているわけではなく、結構、「タイのあるある」です。
写真といえば記念撮影
タイの人というのは、「記念撮影」には驚くほどのエネルギーを注ぐのですが…
それ以外の、「日常風景を撮る」ということについては、これまた、驚くほど無関心です。
こうした傾向もすべて、
「写真=顔写真」と考える国民性に、由来しているのではないか…と思うわけです。
また、「役人との記念撮影が多い」ってところも、ミソです。
そこには、「こんな偉い役人さんたちと、写真を撮った」的な発想も、あるような気がします。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、タイ人の多くが写真を撮ることが、あまり得意でない理由について、ご紹介してきました。
実際のところ、私がタイ人の仕事風景などの写真を撮るときは…
「あっ、自然に、いつも通りしてくれればいいからね」
って言うんですが、その後、彼らは、
「日本人は、自然な写真ってのが好きなんだよねー」
と、言っていました。
でも、この言葉は、裏を返せば、
「タイ人は、自然な状態の写真って、あんまり重視してないんだよねー」
と、解釈することができるわけです。
タイ人が、「記念撮影を好きな理由」「風景写真が苦手な理由」、
そして、やたらと「自撮り人口が高い理由」も…
これでなんとなく、
うなずけると思いませんか?
では、最後にもう一度、今回の重要例文をおさらいしておきましょう。
↓音声はこちらから
ช่วย_ถ่ายรูป_ให้_หน่อย_ค่ะ
チュヮイ ターイ るゥープ ハイ ノォーイ カァ
それではまた。