前回の記事で、「中国語の勉強・習得はしなくてもいい」という話をしたら、
読者の方からなかなか反響がありました。
それで私も、
「結局のところ、中国語って、やったほうがいいの?やらないほうがいいの?」
と、考えている読者が意外と多い、と改めて気づいた次第です。
そこで今回は、その続編として、
「あなたが中国語を勉強しなくてもいいたったひとつの理由」と題して、お話をしていきます。
外国語ができる中国人の方が、優秀である確率が高い
私が中国語を勉強しなくてもいいと考える最大の理由は、
「外国語ができる中国人の方が、中国語しか話せない中国人よりも、優秀である確率が高い」
ということです。
理解能力に違いがある
例えばあなたが、中国語を話せるようになって、中国人に要件を伝えるとして…
その時の中国人の理解度を、仮に「3」とします。
そしてそれとは反対に、日本語がペラペラの中国人に対し、あなたが日本語で要件を伝えたとき、
その日本語ペラペラの中国人の理解度は、果たしてどれくらい高いか。
私の実感では、「7」か「10」ぐらいです。
およそ、2倍から3倍ぐらいの開きがあります。
つまり、中国語しか話せない中国人と、日本語がペラペラの中国人とでは、
物事の理解度には確実に差がある、ということです。
私が言いたいことは、もう、お分かりですよね。
だったら、あなたは無理に中国語なんて勉強しないで、日本語ペラペラの中国人を探してその人に日本語で要件を伝えた方が、よっぽど効率的だと思いませんか?
ただしこれはあくまでも、「優秀な」中国人の場合です。
日本語ペラペラの悪徳中国人ももちろんいますので、その見極めは必要です。
あなたの貴重な時間が節約できる
優秀な中国人の通訳を高額で雇うことによって、あなたは少なくとも、
中国語の習得のために費やす多大な労力と時間を、節約することができます。
まさに「時は金なり」というやつです。
中国語習得のために費やされる、あなたの何年間にも及ぶ貴重な時間が節約されるわけですから、
これって、かなりでかいと思いませんか?
しかも、中国人通訳の能力が高ければ、相手の理解度もそれに伴って上がるわけですから、一石二鳥以上の効果があります。
中国語を習得するメリットは少ない
前回の記事でもご紹介したように、
「中国語しか話せない中国人と、あなたが話をする機会」
というものが、今後ますます少なくなっていきます。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
しかも、仮にあなたが中国語をマスターしたとして、相手の中国人が、
あなたの中国語を正しく理解できるかどうか、定かではありません。
これは、かなりでかいです。
相手の能力が未熟な場合、会話は伝わらない
これは決して、「あなたの中国語が未熟である」という意味ではありません。
そうではなく、たとえあなたが、100パーセント完璧な中国語を話せたとしても、
相手の教育レベルや思考のレベルが低ければ、相手はあなたの話の内容を理解することはできません。
例えて言えば、
孔子が農民に高尚な話をしても、農民はきっと意味がわからなかっただろう、
ということです。
つまり、相手の能力が未熟な場合は、言語とは全く関係のない別の理由で、会話の内容が伝わらないことがある、ということなんです。
語学を学ぶ目的
するとここで、
「だったらそもそも、何のために外国語を学ぶの?」
という最重要命題が浮上してきます。
●趣味のため
●仕事のため
●生活のため
…など、目的は色々あります。
もちろん、あなたが趣味で中国語をやりたいと考えているなら、どんどん勉強してもいけばいいと思います。
「ただただ自分の知識欲を満たすために勉強を続ける」
ということが、いかに素晴らしいか、ということについては、こちらの記事でもご紹介しています。
しかし、もしもそうした純粋な学術的欲求ではなく、
仕事のため、工場の管理のため、ビジネスのため、など、具体的な中国語の必要性があるなら…
それに特化した優秀な通訳を重用する方が、結局のところ、全体のメリットははるかに高い。
というのが、私の実体験に基づく正直な感想です。
目的>手段
以上の話を一言でまとめると、
「語学それ自体が目的であるのか、それとも、語学はただの手段であって、目的が別にあるのか」
ということになります。
つまり、あなたが中国語を話せること、それ自体に価値がある、というような場合。
例えば、
●中国語圏でロングステイをしたい、
●中国人の恋人がいる、
●中国語の書物の原典で読みたい、
…などのケースです。
この場合は、あなたが中国語を理解できること、それ自体が大きな価値を生み出しますから、
中国語の勉強を継続する意味は、充分あります。
しかし、「語学はただの手段である」というケースも、往々にしてあります。
例えば、あなたが、中国の現地工場の管理者、というようなケースです。
この場合、あなたの目的は工場を管理することですから、
中国語の習得は、そのための手段に過ぎません。
- 優秀な通訳を雇う
- 班長クラス以上は日本語知識必須
- 工場内の公用語を英語にする、
- あなたが中国語をマスターする、
…などなど、手段は様々です。
あなたの中国語習得は、数ある手段のうちの、あくまでも1つです。
極端な話、あなたの目的である工場の管理が万全に行われるのであれば、
その手段は何でもいい、ということになります。
語学が、目的であるのか、それとも、手段であるのか。
中国語の勉強を継続するに当たって、この点はぜひ、再度ご一考をしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
最後までお読みいただき、有り難うございました。
今回は、「中国語勉強しなくていいと言えるたった1つの理由」と題し、
「中国語しか話せない中国人よりも、
日本語が話せる中国人の方が、
優秀である確率が高い」
という実情について、お話をしてきました。
そして、これに付随するメリットとして、
●通訳が優秀であれば、あなたの話の意味を理解してくれる確率が高いこと
●あなたが中国語をマスターするよりも、優秀な中国人の日本語通訳を雇うほうが、はるかにメリットが大きいこと
などをご紹介してきました。
ただし、語学には、習得のための動機というものがあります。
学問のため、生活のため、恋人のため、家族のため、など、
確固たる動機があるなら、もちろん、積極的にどんどん勉強を進めていくのがいいと思います。
それは、中国語の習得そのものが目的だからです。
しかし、そうではなく、もしもあなたの中国語習得の動機が、
仕事やビジネスなど、明確な目的が別にあって、語学がその目的のためのただの手段であるなら、
あなた自身が中国語を話さなくても、有能な協力者を探した方が、結果的にメリットは大きいと思います。
この場合、中国語はただの手段であって、目的の達成が最重要課題であるからです。
優秀な日本語通訳を雇うことによって、あなたは、中国語の勉強よりも、もっと有意義なことに時間を使うことができるようになるからです。
それではまた。
あなたにとって語学が、手段なのか、目的なのかを、よく吟味する必要がある。
もしも語学がただの手段であるなら、あなたの語学習得は、数ある手段のうちの1つに過ぎない。