今回は、タイ語の「がらがらうがい」と「ぶくぶくうがい」について、見ていきましょう。
タイの大気汚染は世界最悪
2019年、タイの大気汚染は、じつに深刻でした。
特に、タイ北部の都市チェンマイでは、
「AQIが連日300超え」「汚染の度合いが世界最悪」、という時期が1週間以上も続いたのですから、
チェンマイ在住の皆さんは、本当に大変だったと思います。
うがいは絶対必要
さて、日本人なら言うまでもないことですが、
これほどまでに、空気が汚染された状況においては……
「うがいの励行」
が、ますます重要になってきます。
うがいはタイ語で?
うがい、つまり「がらがらうがい」はタイ語で、
「กลั้วคอ ゴヮコォー」
と言います。
しかし、この言葉は、
タイの日常生活の「一般的な語彙」とは言いがたいです。
頻出単語ではない?
「กลั้วคอ ゴヮコォー」
という言葉は、生活ではあまり使わず、
どちらかと言うと、医学的で、専門用語っぽい響きがあります。
その証拠に、タイ人の日常会話でこの「ゴヮコォー」という言葉を耳にする機会は、ほとんどありません。
あったとしても、医師や看護士と話すときに出てくる程度です。
そもそもタイ人はうがいをしない?
実際のところ、インターネットでこの「กลั้วคอ ゴヮコォー」という言葉を検索すると……
「ゴヮコォーのやり方」
「日本製のゴヮコォーの薬3選」
というような、いわゆる「ライフハック系」の記事ばかりが表示されます。
(タイには、日本からの輸入品のうがい薬があります)
これは、どういうことかと言うと……
タイでは、「ゴヮコォー(がらがらうがい)」という行為自体が、そもそも一般的ではないために、
その意味内容や、やり方を説明したりする記事がまず必要である、ということを示しています。
現に、タイで公衆トイレに入ったとき、
「がらがらがら……」とうがいをしている人を見かけることは、まずありません。
タイ人にとってのうがい
では、タイ人が日常生活で「うがい」と言いたい時は、何と言うのか。
これは、「บ้วนปาก ボヮンパーク」という言葉があります。
「ボヮンパーク」は、「ぶくぶくうがい」というニュアンスです。
タイは「ぶくぶくうがい」のみ?
タイ語で「うがい」を言う時は、もっぱら「ボヮンパーク(ぶくぶくうがい)」の言葉が使われます。
タイのインターネットで、「うがい薬」について検索してみると……
その商品名は「ナムヤー・ボヮンパーク(口ゆすぎ薬)」となっています。
つまり、一般的なタイ語の語彙では、「ぶくぶくうがい」と「がらがらうがい」とを区別していないために、
ということなんです。
タイ人にとっては口臭の方が重要
タイにおいて、うがい薬を「ナムヤー・ボヮンパーク(口ゆすぎ薬)」と呼ぶ、ということは……
「喉をケアすべきである」
という本質が、伝わりにくい、ということを意味しています。
「ゴヮコォー(がらがらうがい)」を日常的に行なっているタイ人は、
おそらく今でも少数派だと思います。
彼らがケアしているのは「口臭」のみで、
のどを洗浄する、
という概念がないからです。
日本人は、「がらがらうがい」をしよう!
その点我々は、がらがらうがいの習慣がある日本という国に生まれて、本当に幸運だったと思います。
我々は小さいころから、大気汚染への対処法が習慣として身についているのですから。
大気汚染に負けず、日々「がらがらうがい」を励行していきましょう!
・ゴヮコォー(がらがらうがい)
・ボヮンパーク(ぶくぶくうがい)