・タイ語で何度発音しても、グーグル音声が認識してくれない
これは、「タイ語学習あるある」の1つです。
タイ語には、日本語にない音が非常に多いため、
カタコトで発音しようとしても、なかなか通じません。
今回は、タイ語の単語の発音が通じないときに知っておくべき、「ベストな対処方法」について、お話しします。
タイ語の単語が通じない時の最善の対処法とは
最善の対処法、
それは…
「熟語」で言うこと
です。
「単語」でいくら言っても通じなかったものが、
「熟語」で言うと、案外すんなり通じたりすることがあります。
タイ語の単語は発音が難しすぎる
なぜなら、タイ語の単語(=音節)は、
・無気音・有気音
・広い母音・狭い母音
・音節末のNとNG
…などなど、日本人にとって、あまりにも複雑で難しい要素が、詰め込まれ過ぎているからです。
このため、カタカナを見て発音しただけでは、まず十中八九、通じません。
しかも、これらがすべて、1単語(1音節)の中に凝縮されていますから、
「ちょっと単語を発音してみよう」
と思っても、すぐにはできない、ということなのです。
「歯磨き」はタイ語で何と言うか
たとえば、タイ語で
「แปรง praeng プれェーんグ」
という単語があります。
これは、「ブラシ」という意味です。
この「แปรง praeng プれェーんグ」と言う単語は、
・prの二重子音
・母音が広母音
・語末がNGの音
…という風に、日本人にとっては、難解な発音のオンパレードです。
そのため、これを外国人が正しく発音するのは、至難の業なのです。
単語だけで読んでも通じない
実際のところ、私たち日本人がいくら「แปรง praeng プれェーんグ」と発音してみたところで、
タイ人にはなかなか通じないし、
グーグル音声も識別してくれない、
というのが現状です。
タイ語は熟語で発音しよう
では、どうすれば良いのでしょうか。
ここで有効なのが、
「熟語で言う」という方法です。
先述の
「แปรง praeng プれェーんグ(ブラシ)」
の例でいくと、
praeng-fan
プれェーんグ・ふァン(歯を磨く)」
という熟語があります。
このように、
「2語以上の熟語」で発音することで、
通じる確率が格段に高くなります。
タイ語が通じやすくなる
もちろん、「fan ふァン(歯)」という単語も、
語頭が[f]で、語末が[n]ですから、発音が難しい事には変わりありません。
しかし、それでも、
プれェーんグ(ブラシ)」
「ฟัน fan
ふァン(歯)」
と、単語ごとに別々に発音する難しさに比べれば、
熟語でサッと続けて言ってしまうことのほうが、はるかに容易です。
それこそ、難易度には天と地ほどの違いがあります。
タイ語は漢語と似ている
じつはタイ語は、単語の並べ方が、「漢語」と似ています。
単語を並べて意味のある文を作るルール、これを、「統語法」と言います。
タイ語と漢語は、統語法が似ているのです。
つまりタイ語は、漢語と同じように、
というルールになっている、ということです。
漢字1字では通じない
たとえば、
漢字の「就」。
この字を、いくら「就(しゅう)!就(しゅう)!」と読んでみたところで、
相手には、何のことだか分からないですよね。
でも、
・就業(業務に就くこと)
・就学(学業に就くこと)
・就寝(ねむりに就くこと)
という風に「熟語」で言えば、相手は意味を理解することができます。
なぜなら、「就」という文字単独の意味を知らなくても、
「就職」「就寝」など、熟語としての意味が、十分に定着しているからです。
タイ語も、これと同じです。
タイ語も漢語も、「1単語=1音節」
タイ語は、原則1単語=1音節であるため、「単語が非常に短い」という特徴があります。
このため、1単語(1音節)だけで発音しても、
音が短すぎて何のことだか分からず、
相手に通じにくいのです。
タイ語の発音が不得手な日本人なら、
なおさらのことです。
タイ語は動詞+目的語
そのため、実はタイ人同士の会話でも、
「単語ではなく、2語以上の熟語で言う」ことが好まれます。
具体的には、「動詞だけ」「名詞だけ」のカタコトではなく、
の形で言う
ということです。
冒頭の例で言えば、
「แปรง praeng プれェーんグ(ブラシ)」
だけで言うのではなく、
praeng-fan
プれェーんグ・ふァン(歯を磨く)」
という風に、「2語以上の熟語」で発音するよう心がける、ということです。
こうすれば、タイ語の発音が通じる確率がぐっと高くなります。
「動詞+目的語」で言えば通じやすくなる
これ以外にも、たとえば、
「ล้าง ラーン(洗う)」という単語も、日本人にとっては、語末のNGや声調の発音が難しいです。
そのため、
これも2語以上の熟語で
発音するようにしましょう。
「ラーン・ナー(顔を洗う)」
「ラーン・ヂャーン(お皿を洗う)」
と、このように言ったほうが、
はるかに通じやすくなります。
結論:タイ語は熟語で発音しよう
タイ語はなるべく、
「熟語」で発音するようにしましょう。
これが、今回の結論です。
もちろん、タイ語の発音の完璧さを追求するなら、1単語の発音を練習することも、重要かもしれません。
しかし、
1単語では言わない」
という現状があります。
熟語で言ったほうが、
通じやすい
という事実を、タイ人も知っているからです。
タイ語と漢語は語順が似ている
また、タイ語と漢語は、統語法(単語の並べ方)が同じです。
・乗車 = 車に、乗る
・洗顔 = 顔を、洗う
…いずれも、「動詞+目的語」の順に並んでいますよね。
タイ語も、基本はこの順序で言います。
タイ語で「ラーン(洗う)」と言って通じなくても、
「ラーン・ナー(顔を洗う)」
なら通じやすくなります。
漢字で「洗(せん)!」とだけ言っても通じませんが、
「洗顔(せんがん)」と言えば通じる、
というのと同じです。
タイ語の熟語も、基本的な考え方は、漢語と全く同じです。
なので、タイ語を発音するときは、単語単独ではなく、
なるべく、熟語で発音するようにしてみましょう!