「日本人は外国語の勉強が苦手である」
という話を、聞いたことはありませんか?
まるで日本人全員が外国語一切できないかのような、こうした物言いは、至るところで耳にします。
「日本は島国だから、外国語を話すことに慣れていない」
「日本人は内気でシャイだから、外国人との会話には向いていない」
などなどです。
この時点で、多くの日本人は、
「外国語が苦手である」という刷り込みが行われてしまい、
外国語の習得において、スタートの段階で
既にかなりのハンデを背負わされてしまっています。
これを、外国人が言うのならともかく、
日本人が自分でこのように言っているというのは、
私に言わせれば、かなり理解不能です。
そこで今回は、
なぜこうした物言いが言われるようになったのか、
そして、これとはまったく反対の結論、
「むしろ日本人は外国語がかなり得意である」
ということについて、ご紹介していきます。
なぜ日本人は外国語が苦手だと思い込まされているのか
こうした「日本人外国語苦手論」は、
一体どこから始まったのでしょうか?
はっきり言って、全く根拠はありません。
私は、
「これを初めて言い出したのは、日本の英会話スクールではないか」
と考えています。
英会話スクールの主催者にとっては、
もしも日本人が独学で英語を身に付けてしまったら、
商売になりません。
そこで、
独学では身に付かない、
うちのスクールでないと身に付かない、
ということを、アピールする必要があります。
かつて日本のバブル期の頃、
英会話スクールが全盛だった時代がありました。
その当時は、
こうした英会話スクールに通う人も大勢いましたから、
「日本人は外国語が苦手である(だから英会話スクールに通っている)」
という理屈が、次第に全国でも主流になっていき、
現在に至っているのではないか、というわけです。
いつの時代も、消費者の不安を煽るのが商売の鉄則
そして現在でも、この流れは脈々と受け継がれています。
「聞き流すだけで英語をマスターできる」
などの英語教材が、好んでアピールしてくるのが、
この「日本人外国語苦手論」です。
彼らの理屈は、こうです。
- 何年も英語を勉強しているのになかなか身につかないと考えていませんか?
- 日本人は英語が苦手だから、独学でいくらやっても身に付きません。
- でもここに、聞き流すだけで英語が身に付く、魔法のテープ/CDがあります。
- これを月賦で買いませんか?
というわけです。
こういうことをうたっている英語塾や教材は、
リアルやオンラインでも、ちょくちょく見かけますよね。
こうして箇条書きで書くと、
いかに破綻した理論であるかが一目瞭然なのですが、
どういうわけか未だに幅をきかせています。
このセールストークの中で最もインパクトがあるのは、やはり、一番始めの、
「日本人は独学ではなかなか身に付きませんよ」
という切り口でしょう。
これは、独学が思うように進まない人にとっては、
「結構当たってるかも」と、思い込まされてしまいます。
それに、もしも「勉強法が間違っているから」と言われれば、勉強法を修正するだけで済みますが、
「日本人だから」と言われてしまうと、修正が不可能な領域ですので、
「じゃあどうしたらいいの??」と、途方に暮れてしまいます。
「日本人外国語苦手論」は、このように、業者が消費者の不安を煽る上で、絶大な効果を発揮します。
「できる」よりも「できない」をアピールしたほうが、教材が売れやすくなって経済が回ります
国にとっては、おそらくそのほうがいいんでしょう。
そのため、業者やマスコミは、
この「日本人外国語苦手論」を、
まるで当然の常識であるかのように、訴え続けるわけです。
こんな空論に踊らされて、
高額教材を買わされるか。
こんな空論には耳を貸さず、
独学で確実に習得するか。
どちらがいいかは一目瞭然ですよね。
まとめ
ともあれ、この「日本人外国語苦手論」には、
全く根拠がありません。
このサイトをご覧になっているあなたは、おそらく
「タイ語を習得しよう!」
と、やる気に燃えている方だと思いますので、
こんな「日本人は外国語が苦手である」などという根拠のない理屈には耳を貸さず、
前向きに、タイ語の勉強に打ち込んでくださいね!
それに、実態としてはむしろ、
日本人は外国語の学習がかなり得意な民族であると、私は考えています。
きちんとやれば、
あなたは確実に、
タイ語を習得することができます。
ですから、タイ語の勉強を、今まで通り、どんどん独学で進めていったほうがいいんです。
「日本人は、むしろ語学が得意です。」
これについては、また次回お話しします。
●日本人は外国語が苦手という理屈には、根拠がない。