「知り合いのタイ人女性から、よく物をねだられる」という経験はありませんか。
初めのうちは良くても、おねだりの回数があまりにもかさんでくると、「ちょっと図々しいんじゃないの??」と、タイ語で言ってみたくもなりますよね。
そこで今回は、「図々しい/厚かましい」を表すタイ語のフレーズと、タイ人のこうしたおねだりを、うまく回避する方法について、ご紹介していきます。
「図々しい」はなんという?
まず、辞書的な意味としては、「図々しい」はタイ語で、
●หน้าด้านナーダーン
と言います。
先ほど、「辞書的な意味」という但し書きを入れたのには、理由があります。
それは、タイ語の「หน้าด้านナーダーン」と、日本語の「図々しい」、この両者は、かなり、ニュアンスが違うからです。
タイ語のหน้าด้านナーダーンのほうが、
「ネガティブさの度合い」がはるかに大きいです。
かなり否定的なニュアンス
これはタイ人に聞いた話ですが、タイ語の「หน้าด้านナーダーン」という言葉を使うのは、おおむね次のような場面だそうです。
●よその犬が、うちの犬の餌を食べにきた。
●よその猫が、勝手に家に入ってきた。
●知らない女が、勝手にうちの旦那に近づいてきた。
というような場面で、使うそうです。
つまり、一言で言うと、タイ語の「หน้าด้านナーダーン」には…
「人としてNG」
「そのラインを越えるのは非常識」
「分をわきまえなさい」
というような、かなり否定的なニュアンスが強く含まれています。
あまり面と向かって言わない方がいい
そのため、もしもあなたが、タイ人の言動に対して、「ちょっと図々しいんじゃないの?」と思ったとしても、
「หน้าด้านナーダーン」という言葉は、あまり口に出しては言わないほうがいいです。
上記にご紹介したとおり、タイ語で「หน้าด้านナーダーン」と発言することは、
「泥棒猫」「野良犬」「性悪女」
と言っているのも同然ですから、そういう語感を理解せずに、ただ辞書的な翻訳で、発言してしまうのは、禁物です。
「หน้าด้านナーダーン」という強い言葉を、日本人がタイ人に対して言ってしまうと、
場合によっては相手は逆上し、トラブルの元にもなりかねません。
「หน้าด้านナーダーンというタイ語もあるらしい」
ぐらいに考えておいて、実際の会話では、タイ人に面と向かって言わない方がベターです。
「とりあえず言ってみる」という国民性
「知り合ったばかりなのに、どうしてこんなにも図々しいの?」
このテーマを考える上で、1つ重要な事があります。
それは、「とりあえず言ってみる」というタイの国民性です。
「突発的なおねだり」は、タイでは普通のこと
タイ人は、「とりあえず言ってみる」というような軽い感じで、ものをねだってくることがよくあります。
これはいわば、タイ人の国民性のようなものです。
あなたもタイ人から、
「その時計、いいわねー、ちょうだい!」
というようなことを言われて、
「えぇーっ!なんで、あげなきゃいけねぇんだよ!」
と、面食らった経験はありませんか?
こうした「突発的なおねだり」は、タイ人の国民性なので、あまり深刻に受け止める必要はありません。
「ハハッ」
と、笑ってごまかして、その場をやり過ごしましょう。
間違っても、
「หน้าด้านナーダーン!(図々しいぞ!)」
などと、言ってはいけません。
現にタイ人同士の会話でも、こういう無謀で突発的なおねだりをされたときには、
タイ人は上手くごまかして、その場をやり過ごしています。
おねだりを断るのは、普通のこと
逆に言えば、「とりあえず言ってみる」という国民性がある以上、そのおねだりを断られることにも、タイ人は十分慣れているわけです。
ですので、おねだりをされた時は、すぐに断りましょう。
こうしたおねだりを深刻に捉えて、
「なんて厚かましいやつなんだ!」ということを考えてしまうと、お互いが気分を悪くしてしまいます。
ですので、もしもあなたが、こうした突発的なおねだりをされたときには、
さらっと断ってしまうのがベターです。
本当にあげてはいけない
逆に、あなたがここで、注意しなければならないことが、1つあります。
それは、タイ人の「とりあえず言ってみる」的なおねだりに対して、本当にあげてしまうことです。
たとえば、あなたの身近なタイ人女性が、「ねぇねぇ、そのストラップ、ちょうだい!」と言ってきたとします。
じつはこの時、
相手は特に「欲しい」とも思っていませんし、まさか本当にもらえるなんて、夢にも思っていません。
ただ、コミュニケーションの一環として、とりあえず、ねだっているだけなんです。
それなのに、もしも日本人が、そこで本当にあげてしまうと…
その瞬間から、その日本人は、「言えば何でもくれる人」というレッテルを貼られてしまいます。
こうなると、「とりあえず言ってみる」的なおねだりは、やむことがなく、
どんどんエスカレートしていきます。
今回の記事でご紹介しているように、こういうおねだりは、タイの国民性ですから、まともに相手をしてはいけないんです。
ですので、「タイ人がとりあえずねだってきた」というようなときには…
落ち着いて、慌てることなく、ましてや「หน้าด้านナーダーン!(図々しい!)」と怒ったりせず、
ただただ、「ハハッ」と笑って流すようにしましょう。
また、こうした国民性が、
「タイ人女性に騙される日本人男性」という構図を生み出している、最大の要因の1つにもなっています。
これについては、
【タイ人女性に騙される男性の特徴】の記事でもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今回は、「図々しい/厚かましい)というニュアンスを表す、
「หน้าด้านナーダーン」
というタイ語について、ご紹介してきました。
私たち日本人が、タイ人のおねだりに対して「厚かましい!」と感じてしまうのは、単に、双方の文化の違いです。
「奥ゆかしさ」や「遠慮」を重んじる日本人とは正反対に、タイには「とりあえずねだってみる」というようなところがあります。
とりあえずねだってみて、
「もらえればラッキー、もらえなかったらマイペンライ!」ということです。
ですので、「หน้าด้านナーダーン!(てめえっ、厚かましいぞ!)」と言いたいときでも、ぐっとこらえて、
「タイではこれが普通」
と考えておくほうが、ストレスを溜めず、楽に過ごすことができますよ!
●タイ人から、突発的なおねだりをされたときには、笑ってごまかして、うまくその場をやり過ごすこと。
●「図々しいぞ!」と怒ってはいけないし、本当にあげてしまうのは、もっと良くない。