どうもこんにちは、でんいちです。
クーラーボックスは、タイ語で
「กระติกน้ำแข็ง/ガティック・ナムケン」
と言います。
今回は、タイのクーラーボックスのお話をします。
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日本でクーラーボックスというと、発砲スチロール製の箱や、
あるいは、プラスチック製の箱など、、
いずれにせよ、だいたいは四角の直方体の形をしていますよね。
そのため、
日本人は、「クーラーボックス」という単語を聞いたときは、
おおむね、こうしたひものついた直方体の箱を思い浮かべます。
一方、タイのクーラーボックスは、直方体のものももちろんありますが、
一般の家庭で使われているものは、この画像のような円柱の形をしています。
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タイでは、この円柱形の容器に氷を入れて、氷や水などを保冷するために使用しています。
この円柱型の容器のことを、「ガティック」といいます。
また、この「ガティック」は、主に氷を入れるために使用されるので、
うしろにナムケェンを付けて、
「ガティック・ナムケェン」と呼んだりもします。
ナムケェンは氷、という意味です。
ガティックの発音
はい、この「ガティック」の発音について、
1つ、注意点があります。
「ガティック」という単語は、
タイ文字のつづり通りに読むと、[kr]の二重子音なので、
「グラ・ティック」と読むのが正しい発音なのですが、
の法則が適用されます。
そのため、
「ガティック」という発音になる、
ということです。
この単語は、「ガ」「ティック」と2音節もあって、若干覚えにくいですが、
タイの生活では、この「ガティック」は割とよく使うアイテムなので、
「ガティック」「ガティック」と何度も声に出して、覚えておきましょう。
この「ガティック」、または「ガティック・ナムケェン」は、
タイの一般家庭では、氷の保冷用に使用します。
氷屋さんで買ってきた氷を保存しておいたり、
あるいは、このガティックの中にストローを突っ込んで、中の氷水を飲んだり、
あるいは、この氷の上から直接コーラなどのドリンク類を入れて、ストローで飲んだりします。
こうしてみると、用途はなかなか広い、と言えます。
ガティックの思い出
さて、このガティック・ナムケェンに関しては、僕はけっこう思い入れがあります。
なぜなら、僕がタイに初めてやってきた時、タイで一番初めに買った家具が、このガティック・ナムケェンだったからです。
なので、ガティック・ナムケェンには、ものすごく愛着があるというか、僕にとっては、かなり思い出の深い品です。
ただのクーラーボックスを家具、と呼ぶのは違和感があるかもしれませんが、
かつて、タイにおいては、
ガティック・ナムケェンは冷蔵庫代わりだったので、立派な家具だと言えます。
僕がタイに住み始めた20世紀の頃は、
まだどこの家庭にも冷蔵庫があったわけではありませんでした。
20世紀の当時は、家に冷蔵庫がない家庭もまだ多く、
そういう場合は、このクーラーボックスを冷蔵庫の代わりにして、
冷水を入れておいたり、あるいは生肉や生野菜を保存するのに使っていました。
当時は、タイも物価が安かったので、氷は1バーツ単位で買うことができました。
そのため、当時としてはかなりの高級品だった日本製の冷蔵庫などを買うよりも、
毎日5バーツずつぐらい氷を買い換えて、このガティック・ナムケェンを冷蔵庫がわりにしていたほうが、安上がりだった、
…という時代背景があります。
こうした事情から、タイではもともと、このガティックを冷水用のボトルやコップとして使用する人が多く、
冷蔵庫が普及した現代でも、冷蔵庫から冷水を取り出すのではなく、
あえてガティックに入った冷水を直接飲む、という人が少なくありません。
実際、タイのローカルの市場などへ行くと、、、
店番をしながらこのガティックにストローを指して水を飲んでいる売り子さんをよく見かけます。
今度あなたがタイの市場へ行った時は、「あっ、あの人もガティックで水飲んでる」と、観察してみてください。
ガティックの日本語訳は?
さて、このガティック・ナムケェンの「ガティック」という言葉ですが、
これは、「液体を入れる容器」全般を指す言葉で、特に明確な日本語訳はありません。
あえて訳すなら、「液体の保温容器」みたいなニュアンスになります
はい、ではなぜ「ガティック」を単体で訳すのが難しいかというと、
ガティックのうしろに「ナムロォーン(お湯)」という言葉をつなげて、ガティック・ナムロォーンにすると、
これで、電気ポット、あるいはホットドリンク用の魔法瓶を指すからです。
・・・以上をまとめると、
ガティック・ナムケェンと言ったときは、氷を入れておく保冷用の容器やクーラーボックスを指します
いっぽう、
ガティック・ナムロォーンと言った時は、お湯を入れておくための電気ポットや魔法瓶を指します。
つまり、「ガティック・ナムケェン」と言ったときと、「ガティック・ナムロォーン」と言った時とで、
指すものが微妙に変わる、ということです。
なので、「ガティック・ナムケェン」と「ガティック・ナムロォーン」、
この2つは、別個に丸暗記しておくようにしましょう。
では、今回学習した単語の、タイ語音声を聞いてみましょう。
ka-tìk
ガティック
กระติก น้ำแข็ง
ka-tìk nám khɛ̌ŋ
ガティック・ナムケェン
(クーラーボックス)
กระติก น้ำร้อน
ka-tìk nám rɔ́ɔn
ガティック・ナムロォーン
(電気ポット/魔法瓶)
はい、今回は、ガティック・ナムケェンとガティック・ナムロォーン、この2つの単語をご紹介してきました。
外国語を学び始めのころは、何か単語を聞いたとき、「日本語でどういう意味?」と考えがちです。
しかし、国や文化が違うわけですから、ある単語の日本語訳が必ず1対1で存在しているわけではありません。
当然、適当な日本語訳が無いこともあります。
今回のガティックなどはその典型例で、ガティックという単語そのものを表す、適当な日本語はありません。
「ガティック」はその用途によって指すものが変わるため、
ガティックという言葉自体には、明確な日本語訳はなく、
後ろにナムケェンとかナムロォーンとかの言葉をつなげて初めて、
その用途がハッキリする、というわけです。
こういう単語の意味を考える際は、無理に日本語に訳そうとするのではなく、
あくまでも、視覚的、ビジュアル的に捉えるようにして、
「ガティック・ナムケェンはこういうもの」
「ガティック・ナムロォーンはこういうもの」
という風に、言葉ではなく、映像で思い浮かべる、という方法がおすすめです。
特に現代は、ネットで検索すればいくらでも画像を見ることができますので、
知らない外国語の単語を聞いたときは、辞書的な意味を知ろうとするよりも、
まずは検索してみて、実際の画像や映像を見てみるのが、最も近道だと思います。
ぜひ、参考にしてみてください。
では、本日の動画は以上になります。
どうもご視聴ありがとうございました!